非情の山、K2の最難関ルート 「世界最強の2人」が挑んだ前人未到

有料記事

大山稜 松田果穂 中田絢子
[PR]

 「世界最強の登山家」と評される2人が、パキスタン・カラコルム山脈のK2(標高8611メートル)で滑落した。世界でも最難関とされる未踏ルートへの挑戦で何が起きたのか。

無酸素、「アルパインスタイル」で挑む

 平出(ひらいで)和也さん(45)と中島健郎さん(39)が挑んだK2は「魔の山」「非情の山」と呼ばれる。標高は世界2位だが、難易度は最高峰エベレストをしのぐ。これまで多くのアタックを阻んできた。

 日本山岳会の古野淳・前会長は今回の登山に企画段階から関わってきた。

 2人はK2西壁の真ん中を通るルートを狙っていた。これまで端のルートを別の登山隊が登ったことはあるが、難易度から誰も手を付けなかったルートという。

 さらに2人は組織的なサポートを受けない「アルパインスタイル」で、高山病を防ぐ酸素ボンベも使っていない。「一番難しい登り方」と説明する。

【動画】【解説人語】K2で世界的な邦人登山家が遭難 経験豊富な2人に何が

「ラストチャンス」数日前に出発

 所属先の石井スポーツのイン…

この記事は有料記事です。残り1055文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【秋トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

この記事を書いた人
大山稜
東京社会部|気象庁担当
専門・関心分野
気象、防災行政、労働
中田絢子
東京社会部|宮内庁担当キャップ
専門・関心分野
皇室、憲法、平和、政治、運輸
  • commentatorHeader
    金子元希
    (朝日新聞ネットワーク報道本部次長)
    2024年8月22日11時5分 投稿
    【解説】

    「パキスタンで40代と30代の日本人が滑落」という一報に触れたのは7月下旬の夜中のことでした。 嫌な予感がしました。 今年はパキスタンで複数の日本人が遭難しています。 この時期にパキスタンの高峰に登っている日本人といえば

    …続きを読む