黒人女性の殺害 静まらない、米国黒人社会の悲しみ NYTコラム

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チャールズ・M・ブロウ

 殺される数日前、ソニア・マッシーは死の予感を感じていた。彼女は家族に、自分は死ぬんだ、誰かに殺されるんだ、と言い続けていた。7月6日、地元の保安官代理が彼女の恐怖の化身となった。そして、彼は台所で彼女の顔を撃ったのだ。

 米中西部イリノイ州に住む36歳の女性マッシーは、自宅に侵入者がいると思い、(日本の110番にあたる)911に通報した。サンガモン郡の保安官代理2人が到着し、彼女の家に入ると、そのうちの一人、ショーン・グレイソンが、熱湯の入った鍋を持つ彼女をののしり、脅し始めた。カウンターの後ろに隠れて、「ごめんなさい」と言っていた彼女を、グレイソンは至近距離で撃った。

 彼女の家族を取材したAP通信によると、マッシーは精神的な病と闘っており、「死亡する前の週にセントルイスで30日間の入院プログラムを受けていたが、その2日後、何の説明もなく戻ってきた」という。

事件後に残る、遺族の苦悩

 火曜日にシカゴのウェストサ…

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