「やりがい搾取」な保育現場 低い配置基準、手厚くするほど薄給に

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本間ほのみ

 子どもの成長や、子育て家庭を支える重責を担う保育士の処遇改善が進まない。保育士の平均給与は月26万4千円で、全産業の平均給与を5万円あまり下回る(2023年)。保育士の仕事と給与は釣り合っているのか。

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 「あの労働環境でも続けられたのは、子どもたちとの日々が楽しいから。でも、命を預かる責任や保育園に求められる役割の多さに対して、給与や社会的な価値が低い。『やりがい搾取』ではないか」。都内で複数の園に勤めた経験のある保育士の高尾友紀さん(45)は、そう話す。

 大学を出て最初に勤めた園では、手取りが15万円を下回った。1日10時間の勤務でも、残業手当は「微々たるもの」。10年間、昇給はほとんどなかった。

 別の園へ転職すると、手取りは20万円を超えた。ただ、「12時間勤務もザラ」でサービス残業もあり、休憩は20分あれば良いほうだった。

 いまは、3年前に移住したス…

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