aikoが法廷で吐露した「育ての親」との20余年 すれ違う2人
シンガー・ソングライターのaikoさんをメジャーデビューさせ、数々のヒット曲を共に作った元音楽プロデューサーの男が、aikoさんの個人事務所「buddy go」に約1億円の損害を与えたとして罪に問われた。法廷で、aikoさんは「洗脳されていた」と話し、「育ての親」は「aikoのために仕事をした」と訴え、思いは大きくすれ違った。
2人の間に一体何があったのか――。公判での証言や供述、検察の冒頭陳述などからたどった。
今年5月15日、東京地裁での初公判。元プロデューサーの千葉篤史被告(58)は、黒のスーツ姿で出廷した。
aikoさんが代表を務めるbuddy社の取締役でもあった被告は、2016年9月~19年1月、aikoさんのツアーグッズなどの仕入れ価格を、知人の会社を介在させて水増し請求させ、約1億円の損害を同社に与えたとして会社法違反(特別背任)の罪で起訴された。
被告と知人の会社の間では、利益の9割を被告、1割を知人の取り分とする契約を結んでいたという。
aikoさんも出廷
起訴内容についての認識を問われた被告は、「自分だけの利益を考えたことはない。損害が発生したとも思わない」と小さな声で述べ、起訴内容を否認した。弁護人も「aikoさんのために身を粉にして仕事をしてきた。無罪です」と訴えた。
6月には、aikoさんが証人として出廷した。証人尋問は、被告や傍聴席から見えないよう、ついたてが設置され行われた。
検察官「今回の事件をどう思ったか」
aikoさん「……最低だな…
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- 【視点】
「milk」という歌のメロディが好きです。曲の最後が「もっとこころ躍る世界がすぐ隣にあったとしても 乱れたあなたの髪に触れられるこの世界がいい」という歌詞で終わっています。子どもたちがaikoさんの歌が好きで車で出かけるとき家族でよく聴いて
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きょうも傍聴席にいます。
事件は世相を映します。傍聴席から「今」を見つめます。2017年9月~20年11月に配信された30本を収録した単行本「ひとりぼっちが怖かった」(幻冬舎)が刊行されました。[もっと見る]