視力失った中で背中押された娘への思い 1年引きこもり出会った世界
藤野隆晃
ブラインドサッカー(ブラサカ)日本代表の後藤将起(39)は8年前、理学療法士として働いていた。当時、視力に問題はなかった。
最初に異変を感じたのは、雑談をしている時だった。
在宅リハビリテーションの訪問宅で、急に視界が暗くなった。
「天気が悪くなってきたんですかね」
患者にそう聞くと、「いまも晴れているよ」と返された。かみ合わない会話に「あれ?」と思った。
1時間もしないうちに、さらに視界が暗くなった。介護を中断し、職場へ戻ることにした。車での道中、信号の色がおぼろげにしかわからないくらいにまで、視界はぼやけていた。その日のうちに視力を失った。
医師から、視神経が炎症を起こしていると診断された。一時的に視力が落ちる人はいるが、ほとんど元に戻るとも聞いた。
だが、炎症が治まっても視力は戻らなかった。
突然の変化に頭が追いつかな…
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