午前5時に起床すると、まず米を研いで炊飯器のスイッチを入れる。
炊きあがるまでの間におかずを作り、サラダを盛りつけ、フルーツを切る。
リンゴは決まってウサギの飾り切り。
変色しないよう、塩水に漬けることも欠かせない。
もう一つ欠かせないものが、手作りの春巻き。
「おいしかった」と言われてから、ほぼ毎回入れている。
あらかじめ、まとめて巻いて冷凍してあるから、作る側としても便利な一品だ。
出来上がった料理を詰める時は、おかずやごはん、サラダなどをそれぞれラップでくるむ。
食べ終わった後、弁当箱が汚れないようにと始めたもので、好評だからずっと続けている。
千葉県在住のフミ子さん(75)の平日の朝は、いつもこんな風に始まる。
「待ち人」が姿を現すと
出来上がったお弁当をバッグに入れ、最寄り駅まで車を走らせる。
駐車場にとめた後、改札を通って7時過ぎの電車に乗り込む。
目的地までの乗車時間は約30分。
まだ通勤ラッシュの時間帯ではないので、時々座ることもできる。
その日の朝刊や、気になっていた本を読む時間は、貴重なリラックスタイムだ。
目的の駅に到着すると、ホームの隅の方でしばらく待機。
上りエスカレーターが見える場所で、ホームに向かってくる人たちをチェックする。
次の列車、その次の列車が通り過ぎたころに「待ち人」が姿を現す。
こちらが手を振ると、「はー…