広島の新米価格、大幅値上げの見込み 農家への前払い金額が4割増
全国的に品薄が続いているコメ。新米の流通が始まる中、気になるのは価格のゆくえ。県内の農協が農家に前払いする「概算金」は、前年から4割ほど跳ね上がり、新米の小売価格にも影響を与えそうだ。
概算金は、農家からコメの販売委託を受けている農協が支払うもので、JA全農ひろしまがその目安を判断。生産量などをもとに新米の出荷前に決められる。概算金の金額は、消費者が購入する小売価格に影響を与えるとされる。
JA全農ひろしまによると、全国的なコメ需要の高まりに加えて、肥料代などの高騰で生産コストが上昇。そのため、今年の概算金は主要品種で、前年から4割ほど上がった。
1等米60キロの概算金の価格は、「コシヒカリ」前年比36%増の1万7千円▽「あきろまん」同42%増の1万6千円▽「あきさかり」同41%増の1万5600円など。日照不足で不作だった2003年以来の高値という。
新米の小売価格はどうなるのか。JA全農ひろしまの担当者は「概算金と同じような上がり幅になる可能性が高い」と説明。概算金は全国的に上がっており、「少なくとも2024年産は高止まりが続くのではないか」とみている。
広島市中区の食料品店「フレッシュおおもり」では、コメの価格は前年より1~2割高くなっているという。担当者は「お米は主食なので安く売りたいが、仕入れ値が4割も上がると、こらえるのは難しい」と語った。(山中由睦)