終わりの始まり それは単身赴任先に届いた1本のメッセージから

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それぞれの最終楽章 また会う日まで!(1)

朝日新聞編集委員 中村俊介

 がんという病との向き合い方は人それぞれだ。あらがい闘い続けた人、これも運命と受け入れて逝った人。妻は後者だった。

 今年3月18日の朝、妻直子は永眠した。満57歳。完治が難しいスキルス胃がんで、延命や積極治療を拒む、おそらく覚悟の死だった。彼女と過ごした三十余年、その最後の日々を、ここに書き残しておこう。

 昨年9月27日の夜、妻は福岡の自宅に、僕は単身赴任先の大阪にいた。1年間の西部本社(福岡)勤務を終え、9月から再び大阪に戻ったばかり。近くの銭湯でひとっ風呂浴びてアパートに戻ると、スマホLINEに妻からメッセージが入っていた。

 仕事かな/胃カメラの結果/…

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