イスラエル軍、ヨルダン川西岸地区の難民キャンプを空爆

Burning tyres in Jenin after Israeli raid

画像提供, Reuters

画像説明, イスラエル軍による襲撃の後、ジェニン地区ではタイヤなどが燃えた

イスラエル軍は2日、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸のジェニンで、大規模な軍事作戦を行った。

軍事作戦は空爆から始まった。ソーシャルメディアに投稿された映像では、住宅地から煙が上がっている様子がわかる。

パレスチナ保健省は、進行中の襲撃により、少なくともパレスチナ人3人が死亡し、12人がけがをしたと発表した。

イスラエル国防軍(IDF)は声明で、「ジェニン地区のテロリスト・インフラ」を攻撃したと説明した。

「テロリストがジェニンのキャンプを隠れ家にし、市民に危害を加え続けている間、我々は何もせずに待機しているつもりはない」とIDFは述べ、難民キャンプが「テロリストの拠点」になっていると付け加えた。

パレスチナの武装組織「ジェニン大隊」はこれに対し、「我々は最後の一呼吸と銃弾まで占領軍と戦い、あらゆる派閥や軍事組織と協力し、団結する」と述べた。ジェニン大隊には、ヨルダン川西岸を支配する「ファタハ」や、ガザ地区を支配する「ハマス」、武装組織「イスラム聖戦(PIJ)」などの戦闘員が所属している。

Smoke rises during an Israeli military operation, at a hospital in Jenin

画像提供, Reuters

画像説明, イスラエル軍による攻撃で、ジェニン地区では煙が上がった
Presentational white space

ジェニンの難民キャンプでは、武装し顔を隠したパレスチナ人十数人が路地に配備された。

同キャンプに住んでいるアフメド・ザキさんはBBCの取材に対し、「イスラエル軍車両の隊列がいくつかの通りからキャンプ郊外に侵入した」と話した。

パレスチナ人の消防車ドライバーのハレド・アラフマドさんは、「この難民キャンプで起きていることは現実の戦争だ」と述べた。

ロイター通信の取材に対しアラフマドさんは、「キャンプを狙った空爆があり、毎回、5台から7台の救急車を走らせたが、負傷者で満杯になって帰ってきた」と話した。

イスラエル軍は6月にも同キャンプを攻撃し、少なくとも6人のパレスチナ人が殺害された。この時、ヨルダン川西岸地区への攻撃としては数年ぶりにヘリコプターが使われた。また、イスラエル兵と国境警備隊員合わせて7人が負傷した。