泳ぐネコ、なんて聞いたことがない。波に乗るネコだって同じだ。
海と共に生きるネコ、ナナクリはハワイで暮らしている。
とても勇敢に見えるが、ある大事なものがない。
片目を失ったのだ。
飼い主のアレクサンドル・ゴメスさんは里親になった日について、こう語る。
命を救うたったひとつの方法。それは片目を摘出すること。
けれども、見えないからこそ別の世界を見つけることとなる。水だ。
「小さい時からお風呂が大好きで。もしかしたら、彼は自分のことをネコだと思っていなかったのかも。水の中にいるとすごく心地良さそうだったんですよ」とゴメスさんは言う。