憧れの涸沢カール・・・
3000メートル級の岩峰が迫りくる円形劇場さながらの氷河圏谷。
穂高の稜線が切り分ける青空とのコントラスト。
そんなロケーションでのテント泊は、訪れた誰もが忘れることのできない感動のひと時を与えてくれます。
人気のテント場のため、快適に楽しむための、ポイントがいくつかあります。
涸沢までのルートや、テント場の攻略法を紹介します。
・涸沢カールまでのルート
<上高地まで>
アクセスは、上高地バスターミナルからスタートします。
マイカー規制のため、麓の「さわんど」駐車場からシャトルバスかタクシーを利用します。
4人集まれば、タクシーでもバスと値段が変わりません。
タクシーの台数は年々減っていますので、バスの方が早く到着できる確率が高くなっています。
シャトルバスの案内はこちら↓
駐車場はこちら↓
駐車場はたくさんあります。
バス、タクシー乗り場に一番近いのは、市営第三駐車場(かすみ沢駐車場)です。
※タクシーは基本的にどの駐車場にも来ますが、この数年は、市営第三に集中しています。
今回は運よくタクシーに乗る事ができました。
始発のバスよりちょっと早め、5:30に上高地バスターミナルに到着。
<上高地から横尾まで>
ここで登山届を提出し、トイレを済ませたら、
涸沢カール、いざゆかん!
上高地から、横尾山荘までは約3時間の行動時間。
フラットに整備されたハイキングコースを進みます。
梓川に沿って進むと、有名な河童橋。
この時間は観光客は少なくて、先に期待を膨らませた登山者がほとんど。
静かな雰囲気の小梨平キャンプ場
ここはキャンプ目的のお客さんがほとんどですね。
大自然の空気を胸いっぱいに吸い込みながら、森の道を進むこと約50分で、明神池の傍に位置する明神館に到着しました。
ここにも自販機があります。
涸沢までのルートは、たくさんの水を担がなくても、
水分に困ることはないですね。
さらに進みます。
はやる気持ちが、いつもより足早にさせます。
川の向こうに見える山は、
明神岳と前穂。
1時間ほど進むと、明るい陽の差し込むテント場が見えてきました。
ここが、「氷壁」に登場する徳澤園です。
明るくてゆったりした時間が流れるテント場に、素敵な建物。
ここは、ピザとソフトクリームがおすすめメニューです。
小休憩を挟んで、横尾へ。
若干のアップダウンが出てきましたが、まだまだハイキングコース。
この区間も1時間程度で横尾に当到着です。
ここにもテント場があります。
自販機もあるし、山荘では食事をいただくこともできます。
横尾は、槍ヶ岳、穂高、蝶ヶ岳の分岐点になります。
それぞれの山に向かって、
「行ってきます」
「行ってらっしゃい」
さぁ、この吊り橋を渡ると、本格的な登山道となります。
序盤は、梓川沿いを進みます。
川を挟んで左手に、屏風岩が見えてきました。
有名なクライミングスポットですね。
だんだんと勾配が出てきましたが、歩きやすい登山道。
上高地~横尾間のハイペースの癖で、息が上がります。
顎から汗が滴り落ちる頃、横尾谷に架かる「本谷橋」に到着しました。
一人ぶんの幅の吊り橋は、とても揺れる。
恐る恐る・・・。
本谷橋の下は沢に降りて冷たい水に触れることができます。
手がちぎれる程冷たい沢の水で顔を洗うと、
一気に汗が引きます。
ちょっと長く休憩し過ぎたせいか、
歩き出してすぐに足が重い。
ここからヒュッテまでは、1時間40分のコースタイム。
この足の重さで大丈夫なのか!?
毎回不安になります。
このルートは難所はほとんどありませんが、
このガレ場の通過は落石注意です!
道は、ヒュッテのスタッフさんが通過するたびに整備してくれているので、
フラットで歩きやすいですが、速やかに通過しましょう。
Sガレを通過すると、遠くにヒュッテの吹き流しが見えてきました。
あと少し!
のはずが、ここからが長い!
足が重い。。。
息が上がる。。。
肩が痛い。。。
着いたら冷たいコーラを飲むんだ!
と、心が折れそうになりながら一歩一歩。
右手にあるはずの沢は、今回は涸れていました。
沢があればここでも顔を洗うことができるのに・・・。
石畳の階段を登ると、、、
涸沢ヒュッテに到着です。
売店とテラスの間を抜け、広いテン場に降りていきます。
・涸沢のテント場の予約について~快適に過ごすヒント1
涸沢ヒュッテのテント場は、予約は必要ありません。
でも状況が変われば予約制になるかもしれませんので、事前にHPで確認してみてください。
重たいテントを担ぐのが嫌な方は、ヒュッテのテントをレンタルすることもできます。
・テントの設営場所はどこがいいのか?~快適に過ごすヒント2
テントの設営場所は、通路に近いところはすぐに埋まってしまいます。
夜間トイレまで移動することを想像して、なるべく岩がゴロゴロしていないところ、
他のテントのガイラインに足を引っかけないようなところに張れたらラッキーですね。
ヒュッテ側は岩がゴロゴロ、北穂側に進むと砂地の箇所が増えてきます。
トイレに近いヒュッテ側なら、往復が便利。
フラットなところが良ければ砂地の多い北穂側。
通路に近いと便利だが、一晩中、人の足音がします。
・涸沢ではコンパネがレンタルできる~快適に過ごすヒント3
涸沢は、テントの下に敷くコンパネ(ベニア板)をレンタルできます。
岩がゴロゴロしていても、コンパネがあれば、完璧なフラットな室内。
まるでプロレスのリングのような寝心地!(笑)
複数泊するなら、コンパネがあると、安眠して疲れも取れます。
ただし枚数に限りがあるので、レンタルできないこともあります。
・ペグ~快適に過ごすヒント4
カールのテント場は、手頃な岩がたくさんあります。
何度も涸沢にきていますが、ペグは一度も使ったことがありません。
いつも岩で固定していますが、とくに困ったことはありません。
あ、爆風のとき、運ぶのも苦労するサイズの岩でガイラインを固定したこともありしたが、朝起きると、すごい距離を動いていたこともあります。爆風のときは仕方ないですね。
・マットは必須!~快適に過ごすヒント5
先述のとおり、涸沢のテン場は岩がゴロゴロ。
コンパネにも枚数に限りがありますし、大混雑していれば、設営はかなりボコボコの上なんてこともあります。
マットを忘れると悲惨です。
エアマットやインフレータブルマットがあれば寝心地は良いですが、パンクの可能性があるので、私はクローズドセルのマットを使っています。
なんだかんだ言ってもベーシックなものが一番。
・水場ではナルゲンボトル!~快適に過ごすヒント6
水場はヒュッテの売店の裏にあります。
テント場から何度も往復する必要があります。
プラティバスは軽くて畳めるので便利ですが穴が開いたらアウト!
私はナルゲンボトルを使っています。
水は豊富ですが、他の小屋と同様、大切に。
・売店~快適に過ごすヒント7
涸沢ヒュッテは売店のメニューが豊富です。
カレー、ラーメン、牛丼、おでん、から揚げ、フランクなどの食事のほか、
生ビール、各種ドリンク、お菓子もあります。
涸沢ヒュッテオリジナルの手ぬぐいやTシャツ、ナルゲンボトルなどのグッズもあります。
お小遣いは多めに持ってくると楽しめます。
お金に余裕があるなら、小屋で購入して、担ぐ体力が温存できると、その後の山頂アタックが楽になります。
広いテラスで穂高の峰々を眺めながら過ごす贅沢な時間。
最高ですね。
・トイレ~快適に過ごすヒント8
人気の小屋なので、トイレは渋滞になることも。
ギリギリまで我慢せずに早めにトイレに向かうと安心です。
洋式もあり、女性専用、男性専用、共用があります。
便座の消毒スプレーもあります。
・自販機~快適に過ごすヒント9
トイレの前には自販機があります。
水、ジュース、アルコールなど豊富なラインナップです。
この三日間ジュースで生きていたといっても過言ではありません(苦笑)
・携帯の電波~快適に過ごすヒント10
スマホの電波は不安定で、ほとんど無いと思ってください。
救助隊の詰め所の前に、情報掲示板があり、
事故情報や天気予報が掲載されているので、とても助かります。
・涸沢カールテント泊のまとめ
夕闇が近づく頃、ぽつりぽつりとライトアップされたテントの花が咲きます。
国の文化財にも指定されている上高地。
周辺は、小梨平、徳澤など素敵な雰囲気のキャンプ場。
涸沢カールは夏でも残雪があり、迫りくる穂高の岩峰。
満点の星空を仰ぎ見ながら過ごす贅沢な山の時間は、
忘れることのできない感動がたくさん待っています。
明日は久しぶりの穂高のピークへ。
ルートの様子や、注意点、快晴の大絶景を紹介します。
・YouTube
もっと詳しい登山道の様子や、星空のタイムラプスなど、絶景とともに動画で紹介しています。
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