2016年のカープ優勝イベントで展示された黒田さんのロッカーと木村記者の球炎

 「何しよんや、坂倉」―。4月26日中日戦を巡る中国新聞の名物コラム「球炎」で、この書き出しに驚かれた方は多いのではないでしょうか。捕逸のショックを引きずり、らしくない打撃を見せた新米捕手への厳しいメッセージ。この歯に衣着せぬ書きぶりの主は、木村雅俊・編集委員室特別委員です。かつてカープ番記者を務めた名物記者が、14年ぶりに球炎に帰ってきました。RCC中国放送の情報番組「イマナマ!」のコメンテーターとしても活躍中です。

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 木村記者が書いた700本を超す球炎の中で、ファンの間で伝説として語り継がれているのが「もはやエースではない」(2004年6月16日付朝刊掲載)です。クローズアップされたのは黒田博樹さん。レジェンドと呼ばれる大投手ですが、この日の試合で3連続KO、計20点失点と打ち込まれました。ファンが観戦を放棄し、試合終了を待たずにスタンドをがらがらにした投球を、木村記者は「背信行為」と一刀両断しました。

 一方でこの記事では、黒田さんを先発ローテーションから外すことができない球団の台所事情も考慮。バッテリーや打順を変更するよう提案し、多くの共感を呼びました。黒田さんはこの記事をロッカーに貼り、自らを鼓舞したとの逸話もあります。

 今季の球炎は、木村記者と五反田康彦記者、池本泰尚記者の3人が担当します。木村記者はもちろん、他の2記者も胸がすく記事を執筆しています。番記者ならではの厳しい視点とカープ愛に満ちたコラムをどうぞお楽しみください。