厳しい暑さの夏を迎え、学校の教職員から「エアコンのない特別教室での授業がつらい」とのため息が漏れている。広島市立小中学校の場合、普通教室は全てにエアコンがあるが、理科室や家庭科室といった特別教室の設置率は低く、増やす動きもない。「特別教室の暑さはあまり知られていないのでは」という教員の声を受け、まずは広島市立校の現状を調べた。

部活中に汗を滴らせる祇園東中の生徒(7月4日)

■「サウナのような部屋で…こんな職場、なかなかない」

 「扉を開けると熱気が押し寄せ、汗が噴き出す」。ある小学校の40代の教員は、勤務校の特別教室の暑さをそう語る。子どもの熱中症を防ぐため、なるべく普通教室で学習するように工夫するが、理科の実験やミシンを使う家庭科など、そうもいかない授業もある。中学の40代の学習サポーターの勤務先では、複数台の扇風機を置いて対策するものの「熱風が流れるだけで焼け石に水」とこぼす。

 教員の働く環境としても過酷だという。別の中学の50代教員はつぶやく。「家庭科や美術の教員はサウナのような部屋で一日働く日もある。こんな職場、なかなかないですよね」

 広島市立の小中学校では