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【本城雅人コラム】驚きでしかないイクイノックスの走破時計!ジャパンカップでもとんでもない時計が出る、そんな期待までしてしまう

2023年10月30日 06時00分

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◇コラム「ぱかぱか日和」
 1分55秒2。芝2000メートルで、このような時計を見られるとは驚きでしかない。さすが世界ランキング1位のイクイノックスである。この衝撃の日本レコードをマークしたのは、ルメール騎手が、このメンバーでも馬の力は突出していると信じていたからだ。

好位から抜け出すイクイノックス(右端)。左端はジャスティンパレス

 ジャックドールが、ある程度離して逃げることは分かっていた。結果的に直線半ばで沈んだが、ジャックドールが怖いのは気持ちよく行かせた時に粘れる地力があること。そうなると誰かが捕まえにいかないといけない。後ろで脚をためる有力馬がいるだけに、その役目は他の騎手にやってほしいが、ルメール騎手はみずから買って出た。
 ルメール騎手には、日本ダービーで敗れたドウデュースも、のぼり調子のプログノーシスも、ダノンベルーガやジャスティンパレスも、末脚勝負なら負けない自信があったのだろう。後ろからの馬に負けないのであれば、イクイノックスのペースを守り、じわじわと前との距離を詰めていけばいい。1000メートル通過57秒7のハイペースも、馬の呼吸を確かめながら走っていたルメール騎手には、速いとは感じなかったのではないか。
 5連勝で5つ目のGⅠタイトル。有馬記念やドバイシーマクラシックも強かったが、3歳、4歳と東京2000メートルの天皇賞を連覇したことは種牡馬になってからの価値につながる。イクイノックスは体つきだけを見るとステイヤー色を感じるし、距離は2400メートルくらいある方が楽なレースができるように見える。しかし父キタサンブラックが天皇賞・秋や大阪杯を勝ったように、この馬にもスピードの遺伝子が出ていることを陣営は分かっていた。だからこそスピードタイプが出てくる天皇賞を秋初戦に選び証明したのだ。
 次のジャパンカップでは、リバティアイランドとの対決も楽しみだが、2400メートルのものとは思えないとんでもない時計が出る、そんな期待までしてしまう。
 (作家)
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