今季初黒星の町田、気になるのはファウルの多さとその荒さ 広島のようなチームが相手だと、止めきれない…次の川崎戦が上位維持の試金石に【大塚浩雄のC級蹴球講座】
2024年4月4日 10時29分
◇3日 J1第6節 町田1―2広島(町田Gスタジアム)
4連勝、開幕から5戦負けなしで首位快走中の町田が今季初黒星を喫した。この夜の広島戦はその強さが本物かどうかを推し量る試金石といえる戦いだったが、1―2というスコア以上の完敗だった。
シュート数は広島の9に対して町田は3。そのうち枠内シュートはゼロ。今季初めて3バックで臨んだ町田は厳しいプレスでボールを奪い、シンプルに前線へ放り込んで、そこからゴールに結び付ける堅守速攻スタイル。それに対し、広島は3バックとウイングバックの連係で町田の攻撃を抑え込み、そこから素早いショートパスでポゼッションし、町田ゴールに向かって縦パスを繰り出す。
正確な技術に加え、相手ゴールに向かってテンポアップする広島の多彩な攻撃に対応仕切れず、前半31分には右サイドを崩され、最後は満田からパスを受けた大橋に決められ、先制された。
広島の攻撃をファウルで止めるシーンも目立った。この試合、町田が与えた直接FKは20。イエローカードは5枚(選手4枚と試合後にコーチが1枚)。後半10分にはペナルティーエリアに侵入してきた佐々木に対するファウルでPKを与え、これを満田に決められて2点目を失った。
その直後の後半13分に2選手を入れ替えて4バックに組み替え、圧力をかけて後半37分にロングスローから相手のオウンゴールで1点を返したものの、前節まで5試合で3失点の堅守がほころび、攻撃も単調で、広島の組織的な守りを崩しきれなかった。
ここまで5試合、力業で相手をねじ伏せてきた町田。黒田監督は「明らかに広島さんが上手だったと言うことをきちっと見つめつつ、これを教訓として次のゲームを戦っていければと思う。すごくいい勉強となった」と振り返り、その上で「(広島は)ボールを動かすテクニカルなところも一枚上だったし、ポゼッションに関しても洗練されていた」と力の差を認めた。
次は再び中3日で川崎と対戦する。「連敗しないようにさらにアグレッシブに、いままでやってきたことをさらに高くやれるようにしなければならない」と黒田監督。激しいプレスは町田の持ち味だが、気になるのはファウルの多さとその荒さ。広島のようにボールを動かしてくるチームが相手だと、止めきれない。初めてのJ1挑戦となった今季、このまま上位ににとどまることができるかどうか、次の川崎戦がカギを握る。
▼大塚浩雄 東京中日スポーツ編集委員。ドーハの悲劇、94年W杯米国大会、98年W杯フランス大会を現地取材。その後はデスクワークをこなしながら日本代表を追い続け、ついには原稿のネタ作りのため?指導者C級ライセンス取得。40数年前、高校サッカー選手権ベスト16(1回戦突破)。
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