米海兵隊、2次大戦激戦地の西太平洋の島で滑走路再整備 中国見据え

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空中給油機KC130の着陸を見守る海兵隊や地元住民=6月22日、ペリリュー島/Lance Cpl. Hannah Hollerud/US Marine Corps

空中給油機KC130の着陸を見守る海兵隊や地元住民=6月22日、ペリリュー島/Lance Cpl. Hannah Hollerud/US Marine Corps

(CNN) 米海兵隊が西太平洋のパラオ共和国を構成するペリリュー島の飛行場で再整備していた長さ約1828メートルの滑走路の工事が終わり、海兵隊の航空機が着陸するなどの運用をこのほど開始した。

同飛行場は第2次世界大戦中に旧日本軍が造ったもので、ペリリュー島を舞台にした攻防は海兵隊史上、激戦地の一つとも称された。今回の滑走路改修は西太平洋地域でも勢力浸透を図る中国への対抗措置と位置づけられ、事態の進展次第では米軍の基地化もにらんでいる。

海兵隊のKC130型輸送機が着陸したのは先月22日。海兵隊の工兵隊は数カ月間をかけてやぶの除去や樹木の伐採を進め、2次大戦中の不発弾の有無なども調べた。

海兵隊はこの滑走路をペリリュー島での旧日本軍との死闘の際、一等兵の迫撃砲担当だった兵士の名前にちなみ「スレッジ」と命名した。彼は悪夢のようだったとする戦いの体験記を著し、米テレビ局「HBO」がドラマとして制作してもいた。

海兵隊は報道発表文で「この滑走路は、2次大戦時の犠牲者に敬意を捧げる一方で地域的な安全保障協力を強化するという、過去と未来の間を埋める役割を持つ」とも評した。

アジア太平洋における安全保障問題の焦点は近年、中国の動向に絞られ、米国防総省は「深刻化する脅威」との危機感も抱く。この脅威を削(そ)ぐための措置の一環として米国は敵対行為が勃発した場合に備え、航空機のような軍事装備品を分散させられる施設の拡充を進めてきた。

中国は、台湾有事などに備え、米軍の侵入を防ぐのに重要視する防衛ラインとして第1列島線と外洋などに広げた第2列島線を設けている。米国の戦力散開の措置は中国の本土からの標的破壊が困難になるであろう第2列島線で進めることを考慮している。

米空軍のジョージウリス中佐は22年、米国防総省サイトへに投稿した論評で、第1列島線に含まれる沖縄やフィリピンの米軍基地は中国軍の長距離爆撃機、巡航ミサイルや戦術的な弾道ミサイルの攻撃をかわし切れず作戦基地などとして機能しなくなる可能性に言及。

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