ゆきぽよのコンビ「和太鼓」が『THE W』2回戦で敗退した背景を現役芸人が分析
#ゆきぽよ #馬鹿よ貴方は 新道竜巳
女芸人No.1決定戦THE Wは今年も開催され、先日準決勝進出者が発表された。今年は863組がエントリーされ1回戦は動画審査、その中から306組選ばれ2回戦は会場審査、さらにその中から38組が準決勝に駒を進めた。
9月23日に渋谷シダックスホールで行われた2回戦に出演したゆきぽよとゆきぽよのヘアメイクさんのユニット「和太鼓」が敗退した。話題性を取るのなら今回和太鼓を準決勝に勝ち進めるのは簡単だったはずだ。なぜならこの日1番笑いが起きているのが和太鼓だった。知名度もあり笑いの量もあるなら勝ち上がっても異論は少ないはずだが、THE Wは選ばなかった。
今年の2回戦は大阪2日間、東京3日間、計5日間開催し、最も笑いの量が多かったのが3組。1組目が「和太鼓」、2組目が「ぐりばぁ」、こちらはグリフォン国松とおばあちゃんという76歳のピン芸人同士のユニットでのコンビが物凄い笑いが起こっていた。そしてもう1組は準決勝に進出したのでハードルが上がってしまうとよくないので伏せておく。
ここで思うのが何故和太鼓が敗退したかという部分。面白かったらいいんじゃないのかと言う声があるかもしれない。他の爆笑をとったのに敗退している芸人も多数いる。ここで面白いネタとは一体何かという部分。審査員の持ち点が100点だった場合凄い爆笑が起きていた芸人さんがそのまま100点を取れれば勿論準決勝に名前は載るが、名前が載らないという事は別の部分で面白いという面を評価されている事になる。和太鼓は漫才だったので、漫才の採点の仕方としての評価を、技術・構成・パフォーマンス・将来性・現場のウケ量という採点にした場合、各部門の最高点が20点MAXになる。
和太鼓は今回のTHE Wに初参戦で漫才に慣れていない感が強かったので技術5点ぐらいだったかもしれない。2つ目に構成だがネタの構成はゆきぽよさんは有名な分、他の共演者などの人名を笑いのポイントにしたという事で、知られている体の笑いという部分が使われている事により、知らない人への配慮がないという面で構成点が少なく獲得されて5点ぐらいだったかもしれない。
3つ目にパフォーマンスは特に動くという事はなく漫才の形としてテンポよく喋って動かなかったわけではないので、これも点数が低かったのかもしれない。4つ目に将来性は既に売れている人が出ているという面と、これから漫才を極めようという目線でのネタでなく見られた場合、将来性としては0点だったかもしれない。
そして最後のウケ量に関して20点満点だとしたら、技術5点、構成5点、パフォーマンス5点、将来性0点、現場のうけ量20点で合計45点になり、準決勝進出者は85点以上を目安としていた場合、全く持って引っかかっていないなんて事もありえるのかもしれない。お笑いは爆笑が起きる時色々な要素が合わさった相乗効果で起きる事が多いが、時折多ジャンルの有名な方が参加される場合、別の要素と出てくるだけで見たくなる魅力が他の技術面において飛び級してしまう事がある。
知らない芸人が「なんでだよ」と突っ込んでもなんとも思いませんが、凄い有名な人が下手でも「なんでだよ」と突っ込んだだけで笑いが起きてしまうなんてこともある。そうするとそこが加点どころか減点になってしまう事もある。今回はバラエティタレントとしては最高の笑いを起こしてましたが賞レースとしての採点が獲得できなかったのが敗因かもしれない。
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