5月15日から7月19日までの期間に展開中の東海・関西・九州圏から箱根を旅する東海旅客鉄道株式会社と株式会社小田急箱根がコラボした『【EX旅パック】箱根に行くならコレ!<フリーパス2日券付き>箱根1泊プラン!』。こちらを利用し夏の箱根をめぐった。
【中編(箱根駅伝でも名前を呼ばれる箱根ホテル小涌園に宿泊!夏のホタル狩りの結果は)より】
2日目は美術館めぐりのみを想定していたが、前日に大涌谷の普段は入ることができない場所を巡ることができる大涌谷自然研究路入場ツアーに参加できなかったことが気になったため、あらためて午前10時の回に予約を入れてみた。こうして予定を気軽に変えられるのも、『【EX旅パック】箱根に行くならコレ!<フリーパス2日券付き>箱根1泊プラン!』の魅力なのかもしれない。
再び大涌谷へ箱根ロープウェイを利用して向かう。しかし、前日の強風とは状況に変化が。前日は見えた地肌がこの日は煙に覆われており趣が変わっている。さらには富士山も雲の合間から顔を覗かせ、違う景色を楽しめ“やり直し”甲斐もある結果に。
大涌谷自然研究路入場ツアーでは観光ガイドではない、安全確保のための誘導員さんたちが同行し説明をしてくれる。ところどころで立ち止まって話を聞きながら約700メートルを歩く。上に行けば行くほど、独特の硫黄臭が濃くなっていくのもツアーならでは。誘導員さんによると、風のない日などは、煙が地面に沿って降りてくるそうで、より臭いが濃くなり、ガスの濃度が高くなると危険なためツアーを中止して折り返して戻ることもあるそうだ。
ツアーは、大涌谷名物で、“1個食べれば7年寿命が延びる”といわれるゆで卵『黒たまご』が作りだされている玉子茶屋前周辺まで行くことができる。タイミングが合えば卵がロープウェイで運ばれていく光景を近くで見られるのもこのツアーならではといったところだろう。実際にツアー後に、4個入りで販売されている『黒たまご』も購入してみた。真っ黒な見た目だが、中身は真っ白とコントラストが目を引き大自然の不思議さを感じた。
そのまま箱根ロープウェイで大涌谷から桃源台まで降り、バスを利用して箱根ガラスの森美術館へ。チケットカウンターを通り庭園内に1歩踏み入れると、中世のヴェネチアをイメージした見事な庭園が目の前に広がり、一気に本美術館の世界観に引き込まれる。15世紀から19世紀のものをはじめ、現代ヴェネチアングラスも展示されている。ヴェネチアングラスがたどってきた足跡や、細かい部分まで作り込まれたヴェネチアングラスに職人の心意気が伝わってくるようだった。事前予約しておくとガラス細工の体験などもできるといい、旅の思い出も文字通りその手で作り出すこともできそうだ。
ちょうど紫陽花(アジサイ)の時期というのもあるのか、ガラス製の紫陽花も庭の草木に交じって展示されており、その遊び心にも感じいった。
続けて、再びバスで移動し箱根 彫刻の森美術館へ。こちらは7万平メートルあるそうで、東京ドームでいえば約1.5個分の広大な敷地いっぱいに使っていることが印象的。デザインの奥深さや、簡略化された美、作品1つ1つに込められている思いの説明もあり、彫刻を通して伝えたいものをダイレクトに感じとれる空間にもなっている。ラジオCMでは本美術館を“アートチャージ”という単語で宣伝されており、実際に行ってみると確かに“アートチャージ”という単語がストンと心に落ちてくるような体験になった。
今回めぐった2箇所の美術館以外にも、箱根にはポーラ美術館、箱根ラリック美術館、成川美術館、岡田美術館、箱根美術館、星の王子さまミュージアム、箱根ドールハウス美術館と、さまざまな美術館がある。あいにくの悪天候となった場合でも、アート巡りで快適な観光を楽しむこともできそうだ。
取材・撮影:水華舞 (C)エッジライン/ニュースラウンジ