『マーベルVSカプコン ファイコレ』先行プレイで収録作品と追加機能をチェック。永久コンボ上等なハチャメチャさは健在! 格ゲープレイヤーもアメコミファンも唸る、珠玉の名作たちが一堂に会する

by西川くん

『マーベルVSカプコン ファイコレ』先行プレイで収録作品と追加機能をチェック。永久コンボ上等なハチャメチャさは健在! 格ゲープレイヤーもアメコミファンも唸る、珠玉の名作たちが一堂に会する
 マーベルとカプコンがタッグを組んだ作品群を7作品収録したコレクションタイトル『マーベル VS カプコン ファイティングコレクション アーケードクラシックス』デジタル版の発売日が2024年9月12日に迫った(※)。対応ハードはNintendo Switch、プレイステーション4(PS4)、Xbox One(※)、PC(Steam)。
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※パッケージ版は2024年11月22日発売予定。Xbox One版は2025年発売予定。
 本作は『X-MEN』や『アベンジャーズ』などで知られるマーベルキャラクターたちがカプコンキャラと激闘をくり広げる対戦格闘ゲームシリーズと、国内初移植となるベルトアクション『パニッシャー』を収録。全収録タイトルは以下の通り。

  • 『エックス・メン チルドレン オブ ジ アトム』
  • 『マーヴル・スーパーヒーローズ』
  • 『エックスメン バーサス ストリートファイター』
  • 『マーヴル・スーパーヒーローズ VS. ストリートファイター』
  • 『マーヴル バーサス カプコン クラッシュ オブ スーパーヒーローズ』
  • 『マーヴル バーサス カプコン ツー ニューエイジ オブ ヒーローズ』
  • 『パニッシャー』

 本稿では、ひと足早く製品版を遊んだ感触とともに、全作品の魅力について語っていく。本作ならではの追加機能についても注目してほしい。
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モード紹介

オフラインモード

 オフラインで収録タイトルをプレイするモード。クレジット設定やゲームの言語バージョンなどを変更し、自分好みの設定で遊ぶことが可能。難易度など、ゲームセンターでの稼動時はお店側だけが設定可能だった項目も変更できる。なお、設定は各タイトルごとに個別に保存される。

 本作ならではのトレーニングモードも、オフラインモードからゲームを起動する前に選ぶ仕組みだ。なお、トレーニングモードの仕様については、追加機能の項目にて後述する。

 なお、どのタイトルも白い点滅演出をゲーム内で多用している。ゲーム設定で“光による刺激緩和”をオンにすると、白点滅演出が消えたりする。もし「気になる」、「まぶしい」と感じた場合にはオンにするのがおすすめだ。
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オンラインモード

 オンラインプレイにも対応し、ネットコード(オンライン対戦中の通信を同期させる仕組み)は昨今人気のロールバック方式を採用している。カジュアルマッチやランクマッチ、ロビーを立てて自由な設定で楽しめるカスタムマッチなど、ひと通りのネット対戦モードが用意されている。

 “カジュアルマッチ”、“ランクマッチ”は参加したいゲームを複数選択可能。ひとつに絞りたい場合は絞ればいいし、全タイトルで待ち受けなんてことも可能(
『パニッシャー』は対戦ゲームではないので選択不可)。『カプコン ファイティング コレクション』と同じような仕様になっている。

 カスタムマッチのゲームは1タイトルに絞れるほか、“なんでも”にすれば複数のタイトルをひとつのロビーで遊ぶこともできる。
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 また、“ハイスコアチャレンジ”も存在し、全タイトルでオンライン登録されるスコアアタックに挑める。非対戦ゲームの『パニッシャー』はもちろん、対戦格闘ゲームでの対CPU戦でスコアアタックを楽しみたい人にもうってつけだ。

ミュージアムモード

 “ギャラリー”では、各タイトルのアートや開発資料、ゲームセンターの筐体に貼られていたインストカード(操作説明・技表など)などを閲覧可能。とくに“企画書”や“キャラクターコンセプト”など、当時の貴重な資料を見れるのは、ファンにとってはたまらない要素。
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 “サウンド”では、各タイトルのBGMを聞くことができる。ゲームごと、または全タイトルからシャッフル再生可能なので、サウンドトラック感覚で楽しんでもいいだろう。
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ファイティングアワード

 ゲーム内の実績・トロフィー機能を搭載。プラットフォームごとの実績・トロフィー機能に紐づいているものや、ゲーム内のみの場合もある(おもに各キャラクターのクリアー状況)。一部のチャレンジについては、ヒントの表示機能も搭載されている。

追加機能

 ここからは、本作ならではの追加機能を紹介したい。なお、『パニッシャー』はボーナスタイトル的な扱いで、対戦格闘ゲームではない。そのため、ほかの6タイトルとは異なる独自の仕様になっている。

トレーニングモード

 ダミーを相手に練習できるモード。昨今の対戦格闘ゲームほど細部まで行き届いたトレーニングモードというわけではないが、ダミーの行動設定やゲージ類の設定、ダミーの行動レコーディング&再生といった、オーソドックスな機能はひと通り揃っている。

 収録作品の多くは“破天荒すぎるコンボ”を兼ね備えたゲームなので、コンボ練習を主目的に本作を購入するという方もいるかもしれない。

 ユニークなのがヒットボックス(当たり判定)を表示できる設定。技の攻撃判定やキャラクターの食らい判定といったマニアックなデータを見ることも可能だ。
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画面設定

 どのタイトルも画面比率は4:3のため、現代の基本となる16:9モニターなどを使うと画面の左右に余白が生じる。そこを埋める壁紙を各ゲームごとに設定できる。壁紙はいくつか用意されているほか、ナシにも設定可能。

 また、画面サイズはフルに使ったり、オリジナル版の4:3版比率など細かく設定可能。画面にフィルターをかけることもでき、当時のブラウン管モニターのような雰囲気でゲームを楽しむことも。スムース処理をかけてドットをなめらかにするフィルターも存在する。
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セーブ&ロード

 オンライン対戦時以外なら、いつでもセーブが可能。セーブスロットは各ゲーム共通で1個のみ。ロードすればセーブした地点からゲームを再開できる。ひとりプレイ時や、中断したくなったときなどに便利だろう。

 とは言え、コンティニューの制限もないので
『パニッシャー』以外のタイトルではさほど使わない機能かも。
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 あえて使い道を考えるなら、ラスボス戦の前でセーブしておいてボス戦の攻略練習とかよさそう。また、一部の特殊な出現条件のあるキャラクターを出す際、条件を満たすために活用するのもアリかもしれない。

 ちなみに
『マーヴル バーサス カプコン ツー ニューエイジ オブ ヒーローズ』だけ仕様が異なり、いつでもセーブされるわけではなく、その試合が始まる前にセーブされる。移植の都合を考えると、なんとなく理由は察しがつく。

ワンボタン必殺技

 ボタンコンフィグで各種必殺技、超必殺技(“ハイパーコンボ”や“インフィニティ・スペシャル”など)を割り当てると、方向キー+各ボタンで必殺技や超必殺技をくり出せる。

 必殺技の弱中強の使い分けはできない、『ストリートファイター6』の“モダンタイプ操作”に近い仕組み。ただ、本作は全必殺技の特定の技(弱中強版それぞれ含む)だけワンボタンにすることも可能。ボタン設定を活用して自分が戦いやすいようにアレンジしてみよう。
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 もともとコマンドが難しいタイプのゲームではないが、必殺技と超必殺技ボタンがあるだけで、コマンドを知らなくてもすぐにワチャワチャと楽しめるのがとくにうれしい。

 ただし、オンラインモードのランクマッチでは使用不可の設定になっているので、真剣勝負の場では使えない。ちょっと残念ではあるが、おそらく開発側も使用の可否に悩んだポイントだと思われる。

隠しキャラクターの簡単解放

 タイトルによっては隠しキャラクターが存在するものも。一部タイトルは解放条件が難しいものやボタン操作が特殊なもの、そもそもゲームセンターで使用する想定ではないであろう解放条件などさまざま。

 そんな隠しキャラクターたちはゲーム設定で“簡単”に設定しておくことで、カーソル合わせるだけで使用できたり、難しいコマンドを要求されなくなる。

 なお、オンラインモードのランクマッチでは強すぎる隠しキャラクターのみ使用不可のルールになっており、ゲームによってはすべての隠しキャラクターが使用可能だったりもする。挑む前にルールを確認しておこう。
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技リスト

 本作ではキャラクターの技リストが追加されており、アーケード筐体に貼られていたインストラクションカードよりも詳しい技表を確認できる。

 技名もしっかりと網羅されているほか、シリーズの特徴となる“エリアルコンボ”を発動するための“エリアル始動技”もキャラクター別に書いてあるのもうれしいポイントだ。
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6+1タイトル紹介

『エックス・メン チルドレン オブ ジ アトム』

 マーベルの代表的ヒーローコミック『X-MEN』を題材にした対戦格闘ゲーム。いまでこそ映画やドラマなどでおなじみのアメコミヒーローたちだが、稼動当時の日本国内で詳しい人はそう多くなかったと思う。
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 1990年代の対戦格闘ゲームの代表と言えば『ストリートファイターII』シリーズであり、そんなカプコンが新たに送り出した対戦格闘ゲームが本作。のちのシリーズ作品を含めて、日本でマーベルやアメコミ自体の知名度を飛躍的にアップさせたタイトルと言えるだろう。

 『ストリートファイターII』のどっしりと構えたシンプルな立ち回りとは異なり、繋がりまくる連続技やド派手な必殺技の数々には度肝を抜いた。立ち回りはストイックさを求められたりするが、いざコンボが始まると上級者たちならばKOまで持っていくような“ハチャメチャ”度はこの時点で健在。

 隠しキャラクターはジャガーノートとマグニートー、そして豪鬼が使用可能。ジャガーノートとマグニートーはアーケード版では使用不可だったので、ちょっとしたサプライズとなっている。
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『マーヴル・スーパーヒーローズ』

 前作で『X-MEN』を題材にし、その次回作となる『マーヴル・スーパーヒーローズ』では、マーベルのキャラクターたちが大集結。『スパイダーマン』や『アイアンマン』などを始めとしたマーベルの人気キャラクターが多数登場し、よりド派手なバトルをくり広げた。

 『ゴーストライダー』のヴィランであるブラックハートや、当時のアメコミファンもほぼ知らないレベルだったと噂されるほどマニアックなシュマゴラス(映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』に登場したガルガントスによく似たヴィラン)なども登場し、本作で初めて“〇〇を知った”といったプレイヤーも少くなくなかった。
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 前作でも疑似的に可能だったが、本作より相手を打ち上げてから空中コンボを叩き込む“エリアルレイヴ”が正式にシステム化。爽快かつお手軽にコンボをくり出すことができ、『ストリートファイター』シリーズとは大きく異なる操作感を実現。ただ、やはりコンボは“ハチャメチャ”。

 本作ならではの要素として、ボスであるサノスのインフィニティ・ガントレットにまつわる“インフィニティ・ジェム”システムが登場。バトル中に各種ジェムを拾い、ジェムを発動することで一定時間属性ごとのパワーアップ効果を得られる。ジェムは相手から奪うこともでき、独自のバトルの駆け引きが存在する。
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 隠しキャラクターとして中ボスのドクター・ドゥーム、ラスボスのサノス、そして『ヴァンパイア』シリーズからのゲストキャラクター・アニタが登場(ドノヴァンの横にいる女の子)。家庭用版では条件を満たせば使えたが、アーケード版では基板を当時買った人やゲームセンターの店員さんなど、よほどの環境がないと使用できない隠しキャラクターだった。

 本作では、隠しキャラクターの簡単解放をオンにすれば、これらの3人をすんなり使用可能も。とくにアニタは、オマケというかお遊び的にとんでもない性能になっているので対戦には不向きだが、カジュアルマッチなどではワイワイと遊べるかも(ランクマッチは当然使用不可)。
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アニタについては、当時のカプコンも謝っている!?

『エックスメン バーサス ストリートファイター』

 『X-MEN』のキャラクターたちが『ストリートファイター』シリーズのキャラクターと入り乱れて戦う、2on2の対戦格闘ゲーム。まさかの夢のクロスオーバーが実現により人気も一気に爆発。『ストリートファイター』シリーズのファンだった人たちが、一気にマーベルキャラクターを知るきっかけにもなった。
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 初のタッグバトルながらに多数のシステムを盛り込み、シリーズの礎を築いた1作。交代システムによる攻防のほか、ふたりで超必殺技を同時に放つ“ヴァリアブルコンビネーション”など、独自の戦略性が生まれた。ただ、コンボはもう破天荒すぎて、よくも悪くも“ハチャメチャ”が基本になった。

 超人ヒーローたちとわたり合うためか、
『ストリートファイター』のキャラクターたちも原作から超絶強化されている。真空波動拳はビームになったり、ベガが飛行を身に付けたりと、各種技がパワーアップ。演出面がド派手になっていることもあり、当時驚いた格ゲーファンも少なくないだろう。
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 隠しキャラクターの豪鬼はそもそもオリジナル版から簡単に使えたので(カーソルを上の外に持っていくだけ)、本作でもそのまま簡単に使用可能だ。
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隠し要素で語れることがないので豆知識。スタートボタンを押しながらチュンリーを選択すると……。
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『ストリートファイターZERO』シリーズの衣装に変わる。

『マーヴル・スーパーヒーローズ VS. ストリートファイター』

 だったらお次は『X-MEN』にとどまらず……ということでさまざまなマーベルキャラクターたちも『ストリートファイター』と大激突。当時、日本テレビのバラエティー番組『とんねるずの生でダラダラいかせて!!』との企画で生まれたゲストキャラクター“憲磨呂”の存在もあり、知名度の高い1作。
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 シリーズでは初参戦となるダンが自爆技“漢道”をくり出したり、ラスボスの存在など含めて、ゲーム全体が非常にコミカルになっている(マーベルキャラクター側はそうでもない)。

 基本的には前作と同じく、2対2のド派手なタッグバトルをくり広げる。追加された“ヴァリアブルアシスト”は、待機中の仲間が攻撃をくり出したのち去っていくアシスト攻撃システムで、立ち回りに大きな幅が生まれた。
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 対戦ツールとしてはバランスがようやく“整えられてきた”といった感じで、永久コンボは当然のように存在するものの、ゲームの“ハチャメチャ”度はやや低め。案外ゲーム部分はマジメな印象だ。

 隠しキャラクターの解放コマンドがやや難しい本作だったが、簡単設定ならばスタートボタン(オプションボタンや+ボタンなど)を押しながらキャラクターを選択するだけで使用可能。メカ豪鬼も使用できる。
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『マーヴル バーサス カプコン クラッシュ オブ スーパーヒーローズ』

 いよいよここまできたらマーベルキャラクターたちとカプコンのキャラクターの対決だ! といった感じで、両社のキャラクターが入り乱れるタイトルに。ここからのちに『マーヴル バーサス カプコン』シリーズへと受け継がれていく。
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 マーベルキャラクターはベノムが初参戦。カプコンからは『ロックマン』や『ヴァンパイア』シリーズのモリガンなど、カプコンの人気キャラクターが多数登場。とくに『ストライダー飛竜』は、本作でキャラクター性が確立したのも印象的。また、“スペシャルパートナー”というサポートキャラクターたちも多数登場し、タイトルのお祭り感が一気にアップした。
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 新システムの“ヴァリアブルクロス”は、ふたりが一定時間同時に操作できるうえに、超必殺技ゲージが使い放題のとんでもないシステム。そもそものバトル部分も含めて、“ハチャメチャ”度が復活し、ある意味本シリーズの最終形態のひとつかもしれない。
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 隠しキャラクターたちは解放コマンドがとてつもなく難しかったが、簡単解放をしているとカーソルを合わせるだけで使用できる。

『マーヴル バーサス カプコン ツー ニューエイジ オブ ヒーローズ』

 『マーヴル バーサス カプコン』シリーズがナンバリング化。バトルは3on3のチーム制となり、多彩なアシスト攻撃などを絡めて、多数のキャラクターが入り乱れるようなバトルが展開される。

 参戦キャラクターが50人以上と、シリーズ総決算のようなタイトル。マーベル側はこれまで登場したキャラクターがほぼ登場し、サイクロップスの息子であるケーブルも追加された。カプコン側もほぼ登場しつつ、『ロックマンDASH』のトロンや、『バイオハザード』のジルなどが登場。さらにオリジナルキャラクターのルビィハートなども参戦した。
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 キャラクター数もさることながら、それはもうゲーム性も“ハチャメチャ”なのだが、独自的なゲームバランス(と称しておく)やバトルの爽快感・戦術性もあって、人気の高いタイトル(とくに海外)。その人気の根強さから、本作のために買う人も少なくないだろう。
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 バトルのお祭り感はあるのだが、多すぎるキャラクターを成立させるためなのか、バトル勝利時にセリフがないなど、前作まであったクロスオーバーの楽しさみたいなものは失われてしまった。また、キャラクタードットや立ち絵なども当時の都合か、容量削減的な痕が見える。とくに本作では、そこがクッキリと見えてしまうかも。

 隠しキャラクターはいろいろと条件を達成すれば解放されていくものだったが、全開放設定や一部キャラクターのみ解放などが用意されている。また、隠しカラーの解放や同キャラクターをチーム編成できる設定にも可能だ。
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『パニッシャー』

 ボーナス的に収録されている『パニッシャー』。マーベルの同名コミックを題材にしたベルトスクロールアクション。
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 1993年稼動のアーケード作品で、カプコンベルトスクロールアクションで言うと、『キャディラックス 恐竜新世紀』や『ダンジョンズ&ドラゴンズ タワーオブドゥーム』あたりに近い時代のタイトル。『エックス・メン チルドレン オブ ジ アトム』よりも前に稼動していたゲームだ。

 多彩な技の数々と、近接武器や銃火器といった豊富な武器を使用でき、悪人を処刑するパニッシャーらしいアクションを実現。敵が銃を持っている場合、ハンドガンを連射できるのも爽快かつ、本作ならではの要素。
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 本作では海外版も遊ぶことができるため、蹴り技の青く燃える演出が消えていたり、パニッシャーの声が低かったりするなど、日本版との違いを体験できるのもうれしいところ。

 おそらく「せっかくマーベルのゲームを復刻するのならば」と、対戦格闘ゲームシリーズといっしょに入れた形なのだろう。国内では初移植となることもあり、筆者を含め喜んだファンは多いだろう。
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 『パニッシャー』のみ独自の仕様があり、まず“ゲームの巻き戻し”に対応している。設定したボタンを押しているあいだ、ゲームを巻き戻せるので、カジュアルな攻略が可能だ。

 また、“ステージ選択”に対応している。ゲーム開始前にポーズメニューからステージを選んでおくと、好きな地点から始められる。そのため“セーブ機能であのステージを練習”みたいなことをせずとも、ステージをスキップできる。ラストステージから始めて即クリアー……といった人は少なそうだが、いわゆるワンコインクリアーをしたい人には練習になる、うれしい機能だろう。
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夢のクロスオーバーが夢の復活!

 当時の格ゲーファンはもちろんのこと、往年のマーベルファン、そして昨今の映画作品などでマーベル好きになった人など、さまざまな層にぜひともおすすめしたい『マーベル VS カプコン ファイティングコレクション アーケードクラシックス』

 “最近の格闘ゲームのブームから、さらに本作に興味を持った”といった人も居ると思うが、本作に収録されている対戦格闘ゲームは、昔としても異色というか、“ハチャメチャ”度に特化したタイトルが多い。現代的に見ても純粋な対戦ツールとしては正直微妙かもしれないが、そのド派手さ、純粋なアクション性の高さだけでも十分に楽しめるはず。

 ファンから「さすがに消されたかもしれない」と言われていた“憲磨呂”の登場や、「もしかしたらあの永久コンボや、おもしろバグが修正されるかも」と逆に心配していた人もご安心を。そのままの形で、いやむしろ遊びやすくなって、現代に蘇るのだ。

 版権的な理由なども含めて、きっと実現には数多くの苦労があったのではないかと想像する。それをを超えてでも、ファンの夢を実現してくれた開発陣に感謝!!!! ありがとうございました!!!!
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