※本記事は、2022年10月26日にアップした記事を再編集したものです。

昔話の桃太郎がモチーフのRPG

 いまから36年前の1987年(昭和62年)10月26日は、ファミリーコンピュータ用ソフト『桃太郎伝説』がハドソンから発売された日。

 週刊少年ジャンプの読者コーナー“ジャンプ放送局”を担当していた、さくまあきら氏が監督するRPGとして注目を集めた『桃太郎伝説』。さくま氏は『ドラゴンクエスト』シリーズを手掛ける堀井雄二氏と大学時代からの友人で、堀井氏のアドバイスを受けてRPGを制作することになりました。結果は大ヒット。売上100万本を達成することになります。

 ちなみに、RPG制作のノウハウがなかったさくま氏が協力を仰いだのが広告代理店に勤務していた桝田省治氏。桝田氏は本作がゲームクリエイターになるきっかけとなり、後に『リンダキューブ』や『俺の屍を越えてゆけ』などの傑作を手掛けます。

 いまでは派生作品である人気ボードゲーム『桃太郎電鉄』のほうが有名になりましたが、30代や40代のゲームユーザーは『桃太郎伝説』に思い入れがある人も多いのではないでしょうか。

『桃太郎伝説』が発売された日。さくまあきら氏が手掛けたハドソン初のRPG。ギャグ要素満載の明るい作品で、関口和之氏のアツいBGMも必聴【今日は何の日?】

 『桃太郎伝説』は昔話の“桃太郎”のストーリーをベースに“花咲かじいさん”や“金太郎”などほかの昔話をミックスした内容で、加山雄三氏がモデルの“わかだいしょう”など、パロディネタも多数存在しました。『桃太郎電鉄』でおなじみの“びんぼうがみ”も本作で登場。キャラクターデザインのモデルとなったのは、ジャンプ放送局の一員で『ドラゴンクエスト』のロゴデザインで知られている榎本一夫氏。

 ゲームはレベルが“段”だったり魔法が“術”だったりと和風に統一された世界観が特徴。敵を倒したときのメッセージが“こらしめた”になっていたり、おならやうんちが登場するなど、子どもが楽しめるように工夫されていました。“ジャンプ放送局”でおなじみの土居孝幸氏が手掛けるコミカルなキャラクターも、本作が多くの人に愛される要因だったのではないかと思います。

 余談ですが、『桃太郎伝説』と『桃太郎電鉄』シリーズでは女湯を覗くイベントがおなじみとなっています。初代は経過時間で上がっていく年齢が8歳以下のときだと女湯に入れるという仕掛けでした。じつは裏技のパスワードを使うと簡単に……(ごにょごにょ)。

『桃太郎伝説』が発売された日。さくまあきら氏が手掛けたハドソン初のRPG。ギャグ要素満載の明るい作品で、関口和之氏のアツいBGMも必聴【今日は何の日?】

 また、『桃太郎伝説』と言えばサザンオールスターズのベース担当である関口和之氏のBGMも忘れられません。どの曲もいいですが、バトルBGMは迫力があって格好よかったですね。とくにラストの『決戦!エンマ大王』はバトルを大きく盛り上げてくれました。

 1993年12月24日には続編の『新桃太郎伝説』が発売。こちらはシリアスな作風が特徴でショッキングな展開も多かったです。また、1998年12月23日には『新桃太郎伝説』の要素も追加した初代のリメイク作『桃太郎伝説』がプレイステーションで発売されました。本作を遊ぶならこのゲームがいちばん手に取りやすいのではないかと思います。

 『桃太郎電鉄』シリーズの新作『桃太郎電鉄 ~昭和 平成 令和も定番!~』もロングランヒットで盛り上がっているので『桃太郎伝説』シリーズもいつか復活してくれるとうれしいですね。

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