トランプ氏銃撃の容疑者、バイデン大統領のことも調べていた。FBIが明らかに

トーマス・マシュー・クルックス容疑者は事件前に何を調べていたのか。FBIが捜査を進めている。
捜査が行われているトーマス・マシュー・クルックス容疑者の自宅
捜査が行われているトーマス・マシュー・クルックス容疑者の自宅
Anadolu via Getty Images

アメリカ・ペンシルバニア州でトランプ前大統領を狙撃した20歳のトーマス・マシュー・クルックス容疑者について、事件前にトランプ氏以外の著名人のことも検索していたことが、FBIの捜査からわかった。

7月13日の選挙集会に起きた事件では、トランプ氏が右耳を負傷し、参加者1人が死亡した。クルックス容疑者はその場で射殺された。 

ニューヨーク・タイムズによると、FBIは17日、クルックス容疑者が携帯電話で「大うつ病性障害」について検索していたと連邦議会議員との電話会議で明らかにした。

クルックス容疑者は他にも、トランプ氏が公共の場に現れる日付や民主党全国大会の日程も調べていた、とニューヨークタイムズは会議出席者からの情報として報じている。

クルックス容疑者の携帯電話やパソコンには、トランプ氏の他に、バイデン大統領やレイFBI長官、ガーランド司法長官らさまざまな政治関係者についての検索履歴が残っており、イギリス王室のメンバーも含まれていたという。

これまでにわかっていること

事件に関連して注目されたのが、ゲームプラットフォーム「Steam」に投稿された銃撃を予告するかのようなメッセージだ。

FOXによると、Steamにはクルックス容疑者の名前で「7月13日が封切りだ」というメッセージが投稿されていた。

しかしFBIは、このメッセージを偽物だと結論づけたという。

NBCも、プロフィール欄を調べた結果、コメントを投稿したアカウントは銃撃事件の翌日である14日に名前をトーマス・M.クルックス容疑者に変更していたと報じている。

捜査はまだ初期段階であり、AP通信によると銃撃事件の動機を指し示す有力な手がかりは見つかっていない。

これまでにわかっているのは、クルックス容疑者は共和党員として有権者登録していたものの、バイデン大統領が就任した2021年に、革新派の政治活動委員会に15ドルを寄付していたことだ。

FBIの捜査から、クルックス容疑者は多くの権力者や有名人に興味を持っていたものの、はっきりとした政治思想はなかったと見られている。

また、選挙集会会場の近くに駐車されていたクルックス容疑者の車からは、無線を使って起動できる爆発物が発見されている。

クルックス容疑者に犯罪歴はなく、同級生らは物静かで知的な人物だったと証言している。AP通信によると、高校1年生の時にライフル射撃チームへの入部を希望したが、射撃技術の低さから不合格になった。

注目記事