突然Transatel社から連絡
iPhone XSから増えてきたeSIMを提供するキャリア
iPhone XSを購入してeSIMを実際に使ってみたい衝動に駆られて様々なeSIM情報を定期的に調べているi-simTripです。iPhone XS/XS Max/XRに標準規格のeSIM機能が搭載されたことで、世界中の様々なキャリアでeSIMによる回線提供が開始されています。今まで物理SIMを使って携帯電話会社の回線に接続するため、店頭にSIM購入手続きが必要だったことがeSIMだと全てオンラインで携帯電話回線の申し込みから接続まで出来るようになりました。当初は世界中で使えるローミングサービス提供業者のTruphone, GigSkyだけが使ってみたい人にとっての砦でした。各国で使えるキャリアはほとんどありませんでした。最初に認知されてきたキャリアは香港の3HKです。ここも世界で使えるローミング提供された業者です。i-simTripが色々と調べていると欧州の方でローミング提供しているTransatelのUbigiブランドでもeSIM提供していることを知ります。いろいろと調査すると世界中で使えることが判明し、なんと日本でも使う事が可能です。実際に使うためにはコストがかかるため、eSIM申込みまでだけでも試した記事を書きました。
Transatelからプレス向けの連絡
その間、UbigiやTransatelって欧州に行く人であれば知っている業者なのでアジアにしか行かない多くの日本人であればあまり知らないと思います。そのため、i-simTripのUbigi記事もアクセスする人が最初少なかったのですが、徐々に見る人が多くなってきました。そうしたら突然Transatel社の方からi-simTripにTwitterで連絡があったのです。最初、びっくりしました。i-simTripはメールアドレスを公開しておりませんので、連絡する手段はたいていTwitterとなります。
興味があるのであれば、プレス限定20GBを提供してくれるとのことです。i-simTripは今年海外旅行に行く予定はありません。そのため日本で実際に評価してみたいと思い、返答の連絡をさせて頂きました。
iPhone XSでUbigi回線接続作業
UbigiにICCIDを連絡
Twitterで申込みの返事をさせて頂いたら、eSIMのICCIDをメールで連絡してほしい旨の連絡が再度ありました。このICCIDというものはSIMに登録されている重要な番号です。Ubigiでも最初にeSIMを申し込むとeSIM登録するために必要なQRコードの他にICCIDも一緒に提供されます。前回に申込みしたeSIMはiPhone XSに登録したまま、無効化していました。このeSIMは登録してから6ヶ月以上経過しています。まだ実際に利用したことはありません。このICCIDをTransatelの連絡先アドレスにメールしました。
ちなみに欧州が拠点なためかTwitter、eメールどちらでも夜に回答がありました。
UbigiのeSIMを有効化
ICCIDをTransatelに通知後、少し経ったらチャージした旨の連絡がすぐに来ました。早速、mineoからUbigiに切り替えます。
まずはMVNOを使っている人はプロファイルを削除します。そして、UbigiのeSIMの「この回線をオンにする」をオンにします。_
すると、久しぶりだからなのか?不明ですが、以前eSIMのQRコードを読み込んだ時と同様な画面が表示されました。
この設定は以前の初期設定のように進めてください。そして、APNを手動で設定します。APN名はmbbです。これを全てのAPN項目に入力します。
データローミングをオンに、モバイルデータ通信をUbigi側に切り替えましょう。
この時に気を付ける必要があることは以下となります。
- APNプロファイルをインストールしている場合、削除する
- データローミングをOnにする
- iOSは手動でAPN設定をする
全てのAPN欄(モバイル通信、LTE設定、MMS、インターネット共有)に「mbb」を設定します - うまくいかない場合、再起動してみる
- 正常に接続されていますので、Ubigiアプリを開くと、自身が契約中のプラン、サイズ、有効期限が表示されます。
Ubigiを日本で接続
i-simTripの場合で気になったことはアンテナピクトの電波強度の表示が一番弱い状態(全て黒っぽい状態)になったことです。日本で接続するキャリアはauのため「au LTE」と表示された状態になれば正常な接続となります。他の人のブログでも似たような記載があったので、特有の表示かもしれません。
念のためフィールドテストモードで受信しているバンドを見た所、800MHz帯で接続して2.1GHzでCA接続されていました。
早速SPEED TESTで速度測定してみました。
するとping応答が486ミリ秒、ジッター25ミリ秒、下り速度25.5Mbps,上り速度5.14Mbpsと表示されました。測定中の速度状況を見ると最初は非常に遅く徐々に速度が上がっていく感じです。時間を変えて再度測定したら下り16.6Mbps、上り11.8Mbpsでした。ping応答やジッターに大きな変化はありません。
日本でUbigiを使った結果
初日、外出している日中の時間帯、夕方を1日通して使用しました。一言でいえば、何をするにしても応答するまでに待たされます。リアルタイムにレスポンスよく使う必要があるアプリには向いていません。例えばオンラインゲーム、株の売買などは不向きです。
それに対して動画閲覧やTwitter、ニュース、マップなど少し待ち時間がありますが、使えます。一番のおすすめは動画閲覧、音楽などだと思います。というのはSPEED TESTでの結果からもわかるのですが、応答時間が約0.5秒かかります。そのため、動画、音楽などのストリーミングであればデータをただ流し続ける性質のアプリなので応答時間が悪くても問題になりにくいのです。アプリによっては応答が遅いためタイムアウトが発生する可能があります。ウェブでオンラインショッピングなどカード決済に失敗する可能性があるので、おすすめできません。
ローミングのため送信元がイギリス
SPEED TESTの結果情報を見ると内部IPと外部IPアドレスが記載されています。iPhone XS本体にはプライベートIPアドレスが割り当てられ、グローバルIPアドレスにNAT変換されてインターネットに接続されているようです。IPv4アドレスは枯渇ぎみな状況なので、日本のキャリアと同様の仕組みになっていると予想されます。
また、そのグローバルIPアドレスを調べるとGBつまりイギリスのIPアドレスであることがわかりました。ちょっと詳しい人であればわかると思います。つまり日本でUbigiでローミング接続するということは日本のau回線を経由してイギリスのTransatel社の機器まで接続されイギリスのIPアドレスを使って通信しているということです。そのため、Ubigiを使って日本のアプリを使うということは「日本~イギリス~日本」と世界1周出来そうなほどの距離でデータのやりとりをします。もっさりした応答になるわけです。
ローミングSIMの様々な問題
世界中で利用可能なローミングサービスはどのSIMでも同様の特性があると思います。Ubigiが拠点を置いている会社は欧州です。欧州やその近くのアフリカ北部、中東などで使用するのであれば悪い応答にならず使い勝手がいいと予想できます。しかし、今回i-simTripが検証したように欧州から非常に遠い日本つまり東アジアであれば今回のようになります。タイのSIM2FLYもローミングサービスであちこちの国で使えるということで日本人にとって有名ですが、これは同じ東アジア圏内で使う人がほとんどだと思います。そこまで応答が悪いということはないでしょう。価格だけでなく、こういった特性についても考慮して利用してほしいと思います。
また、現地のプリペイドSIMを使っても同じですが、日本以外で提供していないアプリやサービスの場合、海外で使えません。過去に経験したことは以下です。
- AbemaTV
これは香港かマカオから試しました。 - Radiko
これは最近日本でUbigiを使った時に判明しました。
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