光コラボへの「乗り換え」に最適なタイミングはいつ?:大和恒成の「光コラボ」講座
「光コラボ」への乗り換え(転用)を決めたら、速攻で手続き――するのもいいですが、タイミングを考えた方が、よりおトクに乗り換えできるかもしれません。
前回の講座では、NTT東日本・西日本の「フレッツ光」から「光コラボレーション(光コラボ)」サービスへ転用(乗り換え)する際の注意点を解説しました。
光コラボに乗り換える際に気を付けるべきポイントを乗り越えて、「よし、乗り換えるぞ!」と決心したとしましょう。でも、乗り換える“タイミング”はとても重要です。
今回は、光コラボへの最適な「乗り換えタイミング」を探っていきます。
タイミング1:“縛り”が解ける月
携帯電話では、2年(24カ月)、場合によっては3年(36カ月)の契約期間を設けて料金を割り引く契約が一般的です。光インターネットでも、回線事業者、あるいはインターネットプロバイダー(ISP)が契約期間を設けて料金を割り引く契約が一般的になりつつあります。さらに、初期工事費を分割払いで支払うケースも増えています。
これらのような契約上の“縛り”がなくなる月を狙って乗り換える、というのはひとつの選択肢です。乗り換えにあたっての支払いを最小限に抑えられます。その際に注意すべきポイントを3つ挙げます。
注意1:「フレッツ光」の定期契約割引の解約金は“免除”
フレッツ光の回線利用料金に適用できる定期契約割引では、契約更新月での解約を除いて「解約金」がかかります。ただし、光コラボサービスへの転用時に限り、期間を問わず解約金が免除されます。縛りがフレッツ光の定期契約割引だけ、という人は契約期間を気にせずに乗り換えられます。
ただし、これはあくまで回線契約の話で、ISPの定期契約割引は別です。光コラボへの移行に伴いISPも変更する場合は、変更前のISPで解約金が発生する場合があります。現在使っているISPの光コラボサービスに転用する場合でも、転用が「コース変更」とみなされて違約金が発生することもあります。事前によく確認しておきましょう。
契約先の会社 | 割引名(本来の解約金) |
---|---|
NTT東日本 | にねん割(戸建てサービス:9500円/集合住宅サービス:1500円) |
NTT西日本 | Web光もっと2割(戸建てサービス:1~3万円/集合住宅サービス:3500~7000円) 光もっと2割(戸建てサービス:5000~3万円/集合住宅サービス:3500~1万500円) など |
注意2:分割している回線工事費の扱いは、転用先次第
フレッツ光の回線工事費は、NTT東日本・西日本ともに30回(2年半)の分割払いが可能です。フレッツ光とISPを同時契約し、ISPの定期契約が24カ月(2年)間であると仮定すると、契約更新月(25カ月目)には5~6回ほど工事費の支払いが残っていることになります。「残った工事費はどうするの……?」と心配する人もいると思います。
転用時に残っている工事費は、NTT東日本・西日本から光コラボ事業者に引き継がれます。引き継がれた工事費の扱いについては事業者、あるいは転用元回線の契約状況によって異なります。一般的には、以下のいずれかの対応が取られます。
- 残額を免除、あるいは減額(条件がある場合も)
- 今までと同じ条件で残額を分割払い
- 光コラボ事業者からの初回請求時に、残額を一括して支払い
工事費の扱いについては、一律の案内が困難なため、光コラボサービスのWebページには明記されていないことが多いです。では、どこで案内されるのか、というと、申し込み手続きの過程で電話などで行われる「コンサルティング」です。コンサルティングは、初期費用、月額料金、開通(転用)予定日などを契約者と最終確認するために行われます。ここで、残った工事費についての話が出てくるはずです。もしも、工事費が残っているのに、それに関する話が出なかった場合は、担当者に必ず聞くようにしましょう。
「@nifty光」は、転用後の工事費残金について明記している数少ない例。基本的には残金を一括請求するが、NTT西日本エリアでは2015年4月30日までに開通(転用完了)した場合は、開通後24カ月以内に解約した場合に限り固定額の工事費を請求する
注意3:転用で工事費がかかる場合もある
転用元の回線が「フレッツ光ネクスト」のファミリータイプまたはマンションタイプ契約である場合、新たな工事費は原則として発生しません(転用前の工事費の残額は除く)。ただし、以下のいずれかに当てはまる場合、追加で工事費がかかります。
- 転用と同時に回線速度を変更する場合
(ファミリータイプおよびマンションタイプの光配線式) - 「フレッツ光 ネクスト」以外のフレッツ光回線を転用する場合(詳しくは下表)
転用元 | 回線サービス名 |
---|---|
NTT東日本 | 「フレッツ光ネクスト ビジネスタイプ」 「フレッツ光ライト」 「Bフレッツ」 |
NTT西日本 | 「フレッツ光ネクスト ビジネスタイプ」 「フレッツ光プレミアム」(※) |
※マンションタイプ→ファミリータイプの変更を伴う場合のみ。それ以外は無料 |
工事費は、光コラボサービスによって異なる場合がありますが、配線工事を伴う派遣工事(光回線の敷設など)は1万8000円、配線工事を伴わない派遣工事(ONU【終端装置】やルーターの交換)は7600円、無派遣工事(局設備のみの工事、ユーザーによる機器設置・交換で済む場合)は2000円(いずれも税別)が相場です。工事費が別途かかる場合、注意2でも触れたコンサルティングの際に話が出てくるはずです。
タイミング2:生活上の変化
生活上の大きな変化も、光コラボへの乗り換えタイミングになり得ます。
例えば、転居に現在の光回線を解約せざるを得なくなったとします。その場合、解約金を払わなければいけないというマイナス面もありますが、それさえ済ませれば、“しがらみ”がより少ない状態で、ネット接続サービスを検討できるチャンスと捉えることもできます。
転居後の状況を考えて、例えば「今、A社のケータイ使っているから、A社の光コラボサービスを使えば、割り引きが増えておトク」とか、「B社の動画配信サービスをよく使っているから、基本料金内で同じサービスを受けられておトクなB社のコラボサービスにしよう」とか、いろいろ考えることができます。
プランや料金体系は、キャンペーンなどで刻々と変わってしまうものです。光コラボサービスの公式サイトや、各種比較サイトで常時チェックすることも大切です。常に最新情報をチェックすることが、お得で便利なインターネット生活への早道です!
大和恒成(やまと・こうせい):株式会社オールコネクト 統括部長
1990年、福井県生まれ。横浜国立大学卒業。2012年、株式会社オールコネクト入社。フレッツ事業部に配属後1か月で営業成績1位を獲得。2014年、ブロードバンド事業本部第一事業統括部長に最年少で昇格を果たす。2015年1月、光コラボレーションモデルが開始されると同時に光コラボ事業の立ち上げに携わり、柱を作る。光コラボ事業を行う数多くの事業者と日々交渉を行い、事業の根幹に関わる業務を担っている。
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