日本シーゲイトは10月19日、プレス向けにコンシューマ向けHDD製品群を紹介。Seagate Technologyグローバルコンシューマストレージディレクターのロブ・ペイト氏が、同社のデジタル家電市場での取り組みを語った。
同社は今年6月に発表したHDD新製品で、デジタル家電市場向け製品を数多くラインアップした。
ペイト氏は「HDDの用途がPC中心だった5年前、HDDビジネスは終焉を迎えるとささやかれていた。しかし実際には(デジタルビデオレコーダーやHDDオーディオの台頭で)、現在HDDは生活の中核にいる。当社でコンシューマエレクトロニクス(CE)分野がHDD全体に占める割合は現在12%だが、今後数年で急伸するだろう」と力説する。
ただし、デジタル家電向けHDDには耐衝撃性/動作温度/耐用年数/製品供給面などで、PC向けHDDよりも一段と厳しい性能が要求される。従来のPC用ではHDDメーカーが汎用品をセット(PC)メーカーにアプローチしていたのに対し、デジタル家電向けは家電メーカー側からHDDメーカーにカスタマイズをコミットしなければならない時代になっている。
このような市場の要求に応えたのが、同社の超小型HDDやデジタル家電専用HDDだ。
HDDオーディオプレーヤーやフォトストレージ用などモバイル機器向けに開発された1インチHDD「ST1」は、激しい動きがある環境下でのドライブのパフォーマンスを維持する「RunOnテクノロジー」や、ヘッドをメディアから回避させて事故を防ぐ「Gフォース保護」といった独自の耐衝撃性向上技術を盛り込んだ超小型HDDだ。
すでに出荷が開始されているST1は、オリンパスイメージングが先日10月13日に発表した「m:robe MR-100」や、クリエイティブメディアの「MuVo2FM」といった小型HDDオーディオプレーヤーに採用されている。
「HDDがモバイル機器に搭載される時、激しい移動時のパフォーマンスという難題が出てきた。Gフォース保護やRunOnテクノロジーを搭載したST1によって、多くのメーカーが小型のHDD音楽プレーヤーを商品化できるようになった。ST1は、すでに10社以上のメーカー向けに出荷している」(ペイト氏)
内蔵型ST1とともに6月に発表されたCF TYPE II準拠(MicroDrive互換)の5Gバイトリムーバブルメディア「コンパクトフラッシュフォトHDD」の出荷が現在遅れているが、ペイト氏は2005年第1四半期には市場に登場するとことを明らかにした。また同じ2005年第1四半期にPC向けバックアップHDD、ポータブルHDDといった米国ではすでに発売されているエクスターナルHDD製品が国内市場にも投入される見込みだ。
デジタルビデオレコーダー(DVR)向けの3.5インチHDD「DB35 Series」は、同社がHDD内蔵型DVR向けに専用設計したHDD。最大容量は400Gバイトで、消費電力と温度制御の最適化が図られているほか、ビデオパフォーマンスとコンテンツ保護ツールを備えている。
DVR向け400GバイトHDDは現在2社が供給しているが、HDDレコーダ市場の急速な拡大で市場では品不足が続いている。
「DVR用のHDDはPC用とは違う“ふるまい”が必要。例えば、消費電力もPCよりはるかに抑えなければならないし、コストパフォーマンスもPC以上に重要になる。それらをクリアしたDB35は、現在数多くのAVメーカーで導入に向けた検証をしてもらっている。価格面/供給面でも、DB35は市場ニーズに十分応えられると思っている」(ペイト氏)
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