ソフトバンクモバイルの2008年夏モデルで“全部入りハイエンドモデル”の1つとしてラインナップされたのがシャープ製の「AQUOSケータイ 923SH」だ。AQUOSケータイの第5世代としてワンセグを搭載するのはもちろんのこと、GPSや3Gハイスピード、フルブラウザ、赤外線、Bluetooth、世界ケータイなど、多彩な機能に対応している。
2008年夏モデルとしては、圧倒的に「iPhone 3G」の注目度が高かったが、“普段使うケータイ”として問題点がないわけでもなく、やはり、“日本文化を吸収したもの”がいいという人も多いだろう。そんな人たちに向けたフラッグシップモデルともいえるのが「923SH」だ。
923SHは全部入りをうたい、3.3インチのワイドVGA液晶による高精細ディスプレイを搭載したサイクロイド型折りたたみケータイ。多彩な機能がある中で、筆者が特に興味を持ったのがGPS機能だ。ソフトバンクモバイルの“AQUOSケータイ”として、初めてGPSを搭載し、同社向けのシャープ製端末としては実に「904SH」以来のGPS搭載となる。
筆者が常用するケータイの必要条件には、VGA解像度以上のディスプレイやおサイフケータイなどとともに、GPSによる位置情報というのも入っている。そのため、このところのメインケータイとして、NTTドコモの「D903i」や「D905i」を使ってきた。ソフトバンクモバイル端末は、通話用として「821SC」やメインケータイの補助用もしくはおもちゃとしてスマートフォン「X02HT」「X03HT」などを持ち歩いているが、久しぶりにGPSを搭載した923SHなら“条件に合いそう”ということで、試すことにした。
923SHのGPSは、アピールポイントに位置付けられているようで、ダイヤルキーの右下には専用の[地図]キーが割り当てられている。[地図]キーを押すと「Yahoo! 地図」もしくは「ナビゲーションアプリ」を利用でき、これらは初期設定では、毎回確認するようになっている。常に使う機能が決まっているなら、確認なしに起動するよう設定も可能だ。ナビゲーションアプリとしては、「NAVITIME」がプリインストールされ、乗り換え検索なども含めた総合的な地図&ナビゲーションを利用できる。
位置情報機能の中で、さらに注目したいのが、モーションコントロールセンサー(地磁気センサー)による「電子コンパス」機能だ。昔は、比較的多くのEZナビ対応端末に電子コンパスが搭載されていたが、最近では、G'zOneシリーズやソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製端末の数機種くらいと、対応機種が減っている。筆者のような“筋金入りの方向音痴”には、この電子コンパスが非常に役に立つので、この傾向を残念に思っていた。
方向音痴の人なら分かると思うのだが、道に迷うときにはある種のパターンがある。例えば地図を見ながら「こっちだ」と思って進んだ方向がまったく違っていた――というのがその1つだ。ナビゲーションアプリを使っていれば、少し移動したところで違う方向に進んでいることが分かるし、最近では、移動した距離によりヘッドアップするという簡易機能に対応するアプリもあるので、電子コンパスが必須ではなくなってきているのは確かだ。しかし、方向音痴にとって“一歩でも間違いを少なくする”ためには、電子コンパスは有用な機能なのだ。
電子コンパスはまた、屋内や地下でも利用できるので、GPSによる正確な位置情報が取得できないときにも、どの方向に向かっているかを判断しやすい。また、923SHの電子コンパス機能は、ナビゲーション時に進行方向にヘッドアップするだけでなく、ピクトエリアに方位アイコンが表示されているのもなかなか良い。細かいことだが、「孫社長ナイス!」といってあげたい機能だ。
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ドコモ端末などで、「モバイルGoogleマップ」を無料で使っている身としては、音声ナビなどのナビゲーション機能を利用するのに、315円/月のコストがかかる点が気になるが、乗換案内やPCとの連携などという豊富な機能を考えれば、許容範囲というか安いのかなとも思う。もちろん、無料に越したことはないのだが……。ひとまず、GPS機能としては満足なのであった。
今回は、主にプリインストールされている地図やナビゲーションアプリを利用してみたが、機会があれば、再度アプリ版のYahoo! 地図なども試してみたいと思う。モバイルGoogleマップは、残念ながらソフトバンクモバイル端末には対応していないものの、電子コンパス機能も含め、サードパーティアプリでは利用できるようなので楽しみだ。
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