「dTV」や「Hulu」「U-NEXT」など、いろいろな動画配信サービスが存在して「どれを選んでいいか分からない!」という人も多いのでは? そんな混沌状態の中、今年9月に国内で本格スタートしたのが、動画配信サービスの黒船ともいわれる「Netflix」だ。
Netflixは1997年にアメリカで創業し、現在では会員数が世界50カ国で6200万人の動画配信サービス。“世界最大級”という、そのコンテンツはどれくらいすごいのか? スタートして1カ月「Netflix」を観続けているという、海外ドラマ評論家の池田聡さんにその実力を聞いてみた!
「Netflixは間違いなく世界の映像産業に旋風を巻き起こしています。理由はいろいろありますが、もっとも大きいのは会員制サイトでユーザーが払う会費を主な収入源にしていること。TVのようにCMスポンサーが必要ないのでより自由な表現で、これまでにない型破りなオリジナルドラマを次々と生んでいます。日本のユーザー向けのコンテンツの充実、サイト自体の仕様など、まだ課題をたくさん残していますが、当分目を離せない存在ですね」
と、ベタ褒め状態の池田さん。とはいえ、コンテンツが多いとなにから視聴すればいいか迷ってしまう…。せっかくNetflixを利用するのであれば、そのメリットが存分に発揮される作品が観たい! そこで、池田さんにNetflixで観るべきオススメ番組をベスト5形式で教えてもらった。
第5位『デアデビル』
「『スパイダーマン』『アベンジャーズ』などの映画化も好評を博している米マーベル・コミックスの異色ヒーローが主人公。少年時代に視力を失い、昼は弁護士だが夜は犯罪者と戦う“デアデビル”になるマット・マードック(チャーリー・コックス)の死闘を描きます。2003年に映画化もされましたが、今回のNetflix制作のドラマ版は登場人物の心情をシリアスに掘り下げた点で、映画版よりも重厚で見応えあり。『アベンジャーズ』とリンクしたニューヨークが舞台なのもファンに嬉しいはず」
第4位『ナルコス』
「中高年ユーザー向きのオリジナル犯罪ドラマですが、国境を越えて特定の趣向を持つユーザーに刺さる作品を作るという、Netflixの攻めの姿勢を感じる一本でもあります。コロンビアの麻薬王パブロ・エスコバルと米国のDEA(麻薬取締局)が激闘を展開。第1・2話をリブート版『ロボコップ』のジョゼ・パジーリャが監督し、第3・4話を『パシフィック・リム』の名カメラマン、ギレルモ・ナヴァロが監督したという布陣は映画ファンも要注目です」
第3位『ベター・コール・ソウル』
「『Netflix』はオリジナルドラマ以外も、全米放送済みである日本未放送のドラマが充実しています。TV界のアカデミー賞、エミー賞に輝いた人気ドラマ『ブレイキング・バッド』のスピンオフ作品として、同じく全米AMC局で放送されたのが本作です。『ブレイキング・バッド』に登場した、がめついが頭の切れる弁護士ソウル・グッドマン(ボブ・オデンカーク)のおかしな過去に肉薄。やはり『Netflix』で見られる、『ブレイキング・バッド』を楽しんでからの視聴がオススメですが……」
第2位『Sence 8 センス8』
「ヒット映画『マトリックス』のウォシャウスキー姉弟がドラマ初挑戦。姉弟がシーズン1全12話の脚本に名を連ね、計7話で監督も担当しているNetflixオリジナル作品です。米国のサンフランシスコ、インドのムンバイ、韓国のソウル、アフリカのナイロビなど、世界の8つの町で暮らす男女8人が主人公。彼らは互いに“感応”する能力があり、非常事態に対応するスキルや知識も共有。壮大なスケールとドラマならではの深い表現力のバランスが絶妙で、すでにシーズン2の製作が決まっています」
第1位『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』
「女性受刑者が集まった刑務所が舞台という、近年の日本のTV界では映像化が難しそうな題材を扱ったオリジナルドラマです。かつて犯罪に手を染めたせいで刑務所に入れられた白人女性のヒロイン、パイパー(テイラー・シリング)は多人種の女性受刑者に囲まれて悪戦苦闘しますが、どこかユーモラスなのでどんよりとした気持ちにはなりません。レズビアンのクレージー・アイズ役を演じるウゾ・アドゥバは2015年秋発表のエミー賞でドラマ助演女優賞に輝くなど注目の女優です」
池田さんには今回、海外ドラマをチョイスしてもらったが、『テラスハウス』の新作や日本独自のオリジナルドラマなど国内コンテンツも充実の様相。映画館やレンタルDVDもいいけど、これを機に動画配信サービスを利用してみては!?
(辺土名悟/GRINGO&Co.)
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