2月13日、福島県沖を震源地として震度6強の揺れが観測された。10年前の3.11を想起させる震源地と揺れだったこと、さらに夜中に発生したことで、不安を覚えた人も多かったのではないだろうか。
この連載の初回でお伝えしたように、災害対策には「マイタイムライン」に応じた備えが必要なのは変わらないが、ここでは特に重要な防災アイテム、備蓄の目安などをまとめて紹介するので、参考にしていただければ幸いだ。
大地震の際、第一に気を付けなければならないのが、揺れで転倒してしまう家具だ。下敷きになったりぶつかってけがしたりすると、その後の避難にも支障が出てしまう。
地震で怪我をした人の30〜50%が家具の転倒・落下・移動によるものというデータもある。過去の大震災では、家具の下敷きになる、避難できず火災に巻き込まれる、助け出されてもエコノミークラス症候群にかかる――などの被害で亡くなる方が多くみられた。家具による初撃を回避することの重要性が分かる。
自宅やオフィスの家具は、適切に固定し、転倒防止対策をすることが身を守る手段として何より重要だ。まずは、家具の固定を再確認しよう。
家具をL字金具で固定するのは賃貸では難しい上に、激しい揺れではビスが抜け落ちるなど、役に立たないこともあることが分かってきた。同様に、突っ張り棒方式も、全く無意味ではないが、揺れ方によっては天井を突き破って固定が外れてしまう場合もある。ダンパー機能つきの「制振」タイプの器具であれば、激しい揺れや振動をダンパー部が吸収することで転倒を防いでくれる可能性が高い。
ストッパー式なども使い方によっては一定の効果が得られる(3.11の時、筆者の自宅にダンボールの切れ端で作ったストッパーをかませていた棚は倒れなかった)。
そもそも寝ているところに倒れてこないよう、ドアをふさがないよう、家具の配置を工夫しておくのはさらに重要だ。
水の確保が重要なのは分かるが、そのために風呂の水は貯めておくべきだろうか? そんなことをよく聞かれるが、生活用水はポリタンクに貯めておくことをお勧めする。さらに進んで、雨水などを貯められるようにしておき、重力式の浄水器を使って飲み水を確保するなどの準備も長期戦には有効だ。
そして、非常用トイレの準備を怠りなく。
集合住宅で被災すると、下水管の点検が終わるまでは水洗トイレが使えない。そうした非常時には簡易トイレなどを使えるようにしておきたい。
食料備蓄はローリングストックを中心に、食べ慣れたものにしておきたい。
乾パンと水だけ1週間分備蓄していても、いざその状況になると飽きがきてしまい活用できないことが想定される。食べ慣れない非常食をたくさん備蓄しても期限切れが心配だ。備蓄を継続するのは難しい。ベストなのは、普段食べている日持ちがする缶詰、レトルト食品を普段使いしながら多めに備蓄しておく「ローリングストック」で備えることだ。非常持ち出し袋には3日分程度のコンパクトな非常食があればOKだろう。
東京ガスのこのサイトでは、火を使わずに作れるレシピやローリングストックを活用するレシピなどを多数紹介している。普段から活用してみよう。
ガスが復旧するまではカセットコンロで調理することも多い。少しでもガスを節約するために、真空保温調理鍋を活用して燃費のよい調理をしよう。忙しい時の作り置きやキャンプごはんなど、普段でも活用できるものも多い。
アウトドアアイテムを活用して非常持ち出し袋を工夫しよう。
この非常持ち出し袋にいくつかアイテムを足すだけで、新型コロナウイルス陽性の疑いで隔離施設に入らなければならない場合でも、待機する部屋で快適に過ごすことができる。
今回の地震で不安を覚えた人、コロナ禍の準備をどうすべきか悩んでいる人は防災アイテム、備蓄の準備を始めてはいかがだろうか。
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