プリンタ大手・セイコーエプソン子会社のエプソン販売(東京都新宿区)が、まとめサイト「保守速報」に掲載したウェブ広告を取り下げていたことが、J-CASTニュースの取材で分かった。
広告は2018年6月1日に保守速報へ掲載されたが、同社は広告代理店を通じてこの日のうちに配信を停止。理由についてエプソン側は、「中立性を維持するという社内規定に反するため、掲載を取り止めました」と説明した。
「広告の掲載方針を改めて徹底」
保守速報は12年4月開設。5ちゃんねる(2ちゃんねる)などの書き込みを転載して紹介するまとめサイトで、保守的かつ「嫌中・嫌韓」的な編集方針で知られる。
14年8月には、ネット上のヘイトスピーチ投稿をまとめて掲載され、名誉を傷つけられたとして、在日朝鮮人の女性がサイト運営者を提訴。この裁判で大阪地裁は17年11月、名誉毀損や差別の目的があったと認め、200万円の支払いを命じた。このとき運営者側は「多分、控訴すると思います」とサイトに書き込んでいる。
セイコーエプソン広報IR部の担当者は18年6月8日午後、J-CASTニュースの取材に対し、保守速報に子会社の広告が掲載された経緯について、
「ウェブ広告の出稿先については通常、広告代理店が提案する広告メニューの中から選んでいます。今回は、メニューの配信先に『保守速報』が入っていることに気付かず、誤って広告を出稿してしまいました」
と説明した。エプソン販売の担当者は「まさか、(保守速報が)入っているとは思わなかった」と話しているという。
保守速報への広告掲載について、エプソン側は「中立性を維持するという社内規定に反する」と判断。掲載の事実を把握してすぐ、代理店を通じて同サイトへの広告出稿を停止する対応を取った。
今回の件を受けて、上記のセイコーエプソン担当者は「広告の掲載方針を改めて徹底するとともに、掲載方法の見直しも検討している」と説明。その上で、広告代理店に対しても、
「広告の配信先を選ぶ際には、私たちの掲載方針を徹底して頂くよう、改めてお願いした」
という。