ロイヤルアスコット開催の1週間は素晴らしく不足しているものはあまりなかったが、日本からの出走馬がいなかったことは特筆すべきであり、残念なことであった。
近年、日本は国際舞台での存在感を増している。英国の2019年グロリアスグッドウッド開催のナッソーS(G1)でディアドラが記憶に残る勝利を収めたことを含め、世界の主要競馬開催での日本馬の華々しい活躍は注目を集めてきた。
アスコット競馬場の競走担当役員、ニック・スミス氏は、英国最大の平地競走開催に日本馬が出走しないのは賞金不足が原因だとしたが、もしかしたら英国調教馬が日本の競走に出走していないのも一因かもしれない。実際にこの5年間、ジャパンカップに英国調教馬は出走していないのだ。
2006年ジャパンカップでのディープインパクトの勝利は、この日本最大規模の競走に大きな変化をもたらした。ディープインパクトの勝利以降、勝ち馬はすべて日本調教馬である。それ以前は本質的にかなり異なっており、ジャパンカップの当初の勝馬25頭のうち14頭は外国馬で、うち4頭が英国調教馬だった。
それはまさに日本中央競馬会が求めていた競走であった。同競走は招待競走として創設され、日本調教馬に外国調教馬と競争する機会を与える一方で国際関係を強化した。また、報奨金制度、東京競馬場の新しい検疫施設など、外国調教馬の出走を奨励し続けている。
しかしながら現在英国から又は英国を拠点にジャパンカップに参加するのは騎手だけである。過去5年間で、オイシン・マーフィー騎手(2019年)とライアン・ムーア騎手(2022年)はジャパンカップを制している。日本の競馬ファンは彼らを歓迎し、ポスターを掲げながらサインを求めていた。
英国の調教師たちが日本遠征に消極的なのは、国際舞台での日本競馬の新しい地位を反映しているのかもしれない。ジャパンカップは昨年、正式にワールドベストレースと認定されたが、この栄誉はまたしても日本調教馬による1~3着で獲得されたものであり、同競走に出走する外国調教馬は非常に厳しい試練に直面することになるだろう。
チャーリー・アップルビー調教師管理のレベルスロマンスは、先月香港に遠征して成功を収め(チャンピオンズ&チャターカップ(G1)優勝)、遠征が障害にならないことを証明した。同馬が6年ぶりに英国調教馬としてジャパンカップに出走するならばそれは素晴らしいことだし、日本人にとっては実際意味を持つことになるかもしれない。
そして英国調教馬が再びジャパンカップに毎年出走するようになれば、英国競馬は利益を得ることができるだろう。日本には開拓すべき熱狂的な競馬ファンがたくさんいる。彼らの目を英国競馬に向けさせる最善の方法は、11月のジャパンカップにまずは英国調教馬が参戦することである。
By Mary-Jo Jackson
[Racing Post 2024年6月27日
「Want to see the Japanese at Royal Ascot? Perhaps British runners in the Japan Cup would help」]