16日は「敬老の日」。総務省が15日、発表したところによると現在、65歳以上の高齢者は前年より2万人多い3625万人で総人口に占める割合の29・3%だという。約3人に1人は高齢者という計算だ。
阪神の熱戦を見つつ、そんなことを考えたのはモニターに映る指揮官・岡田彰布の表情を見ていたからだ。しんどい展開。そのたびに岡田はふう~っと大きな息をはいている。虎党やメディアを含め、見ている方がしんどいのだから、やっている方は相当だろう。
「そら、高まるよ。当たり前のことやんか。ゲーム展開もな。時期も時期やし、そら、緊張するのは当たり前や」。最少点差でプレッシャーがかかる中、奮闘したブルペン陣について聞かれた岡田はそう話した。百戦錬磨の野球人とはいえ、いや、だからこそ、今季の展開に自身も緊張しているだろう。
岡田は12球団で最高齢監督、66歳だ。約3人に1人の中に入っている。そうは言っても最近の60代は若い。さらに岡田は一般人とは違う体力の持ち主。なんだかんだ言いつつタバコをふかしながら逆転連覇への戦略を練っている。
今季は2年契約の2年目。来季どうなるかは現状、知らない。虎党にすれば連日、報道される自民党の総裁選などより興味がある部分だろうが、いまは奇跡的な逆転劇が実現されるかどうかが注目点ではないか、と思っている。
最下位争いのヤクルトも上位に意地を見せるべく食い下がった。そこを2-1で振り切った試合だ。首位・巨人も同じく最下位争い中の中日を退け、2ゲーム差は変わらず、試合数だけが減った。阪神は残り11試合、巨人は同13試合。今から2ゲーム差をひっくり返すのは相当に厳しいとは思うが流れがあるだけに期待は募る。
そこで注目するのが16日以降の日程だ。次の日月、22、23日には甲子園で巨人との直接対決が予定される。今季最後の「伝統の一戦」。これを大勝負にするためには、その時点で1ゲーム差以内には迫っていたい。上に出ていればさらにいいが。そこまで巨人は5試合、阪神は4試合だ。
例えば、ここを阪神が3勝1敗でしのぎ、巨人が3勝2敗なら1ゲーム差での戦いになる。1試合の差がどう出るか。熱い9月を続けるためにも負けられないゲームが続く。まずは敬老の日のヤクルト戦だ。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツコム/野球コラム(虎だ虎だ虎になれ!)