急募・左キラー! 広島の左腕を対象に、左キラーのテストが行われることが5日、明らかになった。今季は中継ぎ左腕が不足。勝ちパターンはすべて右投手だった。明日7日から宮崎・日南で行われる秋季キャンプでの実戦形式では、左投手は全員左打者と対戦が組まれる予定。サイドスローに転向したオスカルや、ルーキー高橋昂も対象に、熱き戦いが繰り広げられる。

 応募の条件はキャンプ参加メンバーの左腕。期間は秋季キャンプ中で、経験値も年齢も不問だ。現状での先発、中継ぎも問わない。今季終了後からサイドスローに転向したオスカルや、高卒1年目ながらファーム日本選手権で先発した高橋昂、一皮むけたい戸田、最速153キロを誇る塹江、今季初先発を果たした高橋樹が対象となる。

 テストは単純明快。シート打撃などの実戦練習で、いずれも左打者だけに投げる時間が設けられる。野手組の参加メンバーには、田中、丸、松山、安部、西川ら実力組の左打者がずらり。他にも高卒1年目捕手の坂倉や、野間、桑原、庄司らアピールに燃える若手の左打者も勢ぞろい。打者から見ても左腕打ちはアピールにもってこい。熱い戦いが繰り広げられそうだ。

 今季は左打者に痛打を食らう場面が目立った。阿部、亀井を擁する巨人には好相性も、DeNA筒香には3割2分3厘、6本塁打、19打点をマークされた。阪神鳥谷には3割8分を許し、福留には2割9分4厘、4本塁打、糸井には2割9分7厘を許した。中日大島にも3割3厘をマークされ、ヤクルト坂口にも2割9分6厘の数字が残る。

 ドラフトでの左投手の指名はなく、左腕の中継ぎ助っ人は米球界でも貴重で簡単に獲得できない。となれば、現有戦力の左腕で補うしかない。今季は中継ぎ左腕が不足。クライマックスシリーズ(CS)でも中継ぎ左腕は不在で、オール右で勝負した。絶対的な左殺しがいれば、起用法にも幅が出る。場合によっては野手のベンチ入りの数を減らしてでも、中継ぎ左腕の枠を増やすことすら考えられる。「ワンポイント」は死語ではない。大規模なテストに合格者が出るか。明日7日からの日南キャンプで、戦いの火ぶたが切られる。

【池本泰尚】