強すぎるモンスターの新たな標的に“前人未到の世界記録”が浮上した。プロボクシング4団体統一世界スーパーバンタム級王者の井上尚弥(31=大橋)の一夜明け会見が4日、横浜市内で行われた。元IBF世界同級王者TJ・ドヘニー(37=アイルランド)との防衛戦(3日、東京・有明アリーナ)に7回TKO勝利を収めて世界戦23連勝とした井上に、大橋秀行会長(59)は“不滅の記録”といわれる26連勝の更新を期待した。

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米プロモート大手トップランク社ボブ・アラムCEO(92)が契約を結ぶ井上の25年の興行プランを明かした。3日(日本時間4日)、複数の米メディアが報じたもので、25年4月に井上がメインの米ラスベガス興行を開催。同年後半に東京ドームで井上-WBC世界バンタム級王者中谷潤人(26=M・T)戦を実現させたいと発言したという。

同CEOの描くプランに対し、井上は4日の一夜明け会見で「自分としては用意された試合をこなすだけ。来年の話なので12月の試合をクリアしてからしっかりと話が決まってくると思う。その時に向けて楽しみに」と21年6月以来、3度目の「聖地」進出に前向き。1階級下の中谷戦についてはWBA世界同級王者の弟拓真(28=大橋)との統一戦機運が高まっており「そこ(拓真)の壁はでかいのではないか。拓真はくせ者ですよ。面白い戦いになります」と両者の王座統一戦に大きな期待を寄せた。弟拓真は10月13日、東京・有明アリーナで同級2位堤聖也(28=角海老宝石)との3度目防衛戦を控える。井上は「僕は堤選手とスパーリングしているし『仮想・堤選手』をやる」とサポートに徹する姿勢だった。【藤中栄二】