プロボクシング元WBC、WBO世界スーパーバンタム級王者で現WBA世界フェザー級2位のスティーブン・フルトン(30=米国)が約1年2カ月ぶりの再起戦で辛勝した。
14日(日本時間15日)、米ラスベガスのT-モバイル・アリーナでWBA世界同級5位カルロス・カストロ(30=米国)との同級10回戦に臨み、5回に右ストレートを浴びてダウンを喫しながらも2-1(94-95、96-93、95-94)の僅差判定勝利。昨年7月、井上尚弥(31=大橋)に8回TKO負けを喫して以来のリングで何とか勝利をもぎ取ったものの、フルトン勝利が激しい議論を引き起こした。
SNS上では「フルトン勝利なんてありえない。あれば『強奪』だ。カストロが勝者に選ばれるに値した」「フルトンはB級チャンピオン」「ジャッジのフルトンに対する愛情は何なのか分からない。このようなジャッジならフルトンはKOされない限り、常に勝つだろう」「井上戦の二日酔いの試合」と痛烈な批判が噴出。一方で擁護する声も。「これは14カ月の休養後の初戦だ。大丈夫だろう」「長い間、試合していないと、こういうことが起こる。フルトンは素晴らしい『心』と『タフさ』をみせて勝利を収めた」と擁護の意見も少なくなかった。
戦前、フルトン陣営はカストロとの世界ランカー対決を制し、10月5日、英リバプールで予定されるWBA世界同級王者ニック・ポール(27=英国)-同級13位ロリー・リオス(34=米国)の勝者に挑むつもりだったが、この再起戦の辛勝ですぐに世界挑戦できるかどうかは不透明。一方で今年5月、東京ドームで井上に敗れたWBA世界フェザー級3位のルイス・ネリ(29=メキシコ)がX(旧ツイッター)を通じてフルトンとの対決の機運に対して「楽勝だよ」と反応。フルトンが「14カ月の休養を経て復帰できてうれしく思う。これからもっと活動的にいく。あらためて感謝します」とのポストに対し「12月に会おう」と年末対決を希望するなどフェザー級サバイバルマッチを提案していた。