NAR(地方競馬全国協会)騎手試験に合格し、兵庫競馬への復帰が決まったJRA小牧太騎手(56)が85年にデビューした当時の師匠・曽和直栄元調教師(79)は、吉報を心待ちにしていた。

「僕の知り合いだった中央の調教師も70歳を超えて定年になり、園田で頑張っていた太を知らない若い調教師が増えた。その中で(騎手時代に同期だった高知の)田中守先生の馬で重賞(3月28日ネクストスター西日本=リケアサブル)を勝って『試験を受け直したら』という話になった。地方と中央の免許は2つ持てないが、乗る技術や競馬法規は一緒。太が『頑張って試験を受けます』と言ったときはうれしかった。おかげさまで8月から園田で乗れるが、これからもファンや関係者からの期待を体で受けて、馬に感謝して乗り続けてほしい」と話した。

また、兵庫で新たな所属先として予定されている兵庫県調教師会会長の中塚猛調教師(74)は「デビューの頃から太を知っているが、後輩の面倒見がよく誰からも愛される男だった。(中塚厩舎所属の佐々木)世麗にとっても最高のお手本になるし、他の騎手にとっても見本になると思うよ」と期待していた。