上地結衣(30=三井住友銀行)がオランダ選手を下して決勝に進み、銀メダル以上を確定させた。

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最後はフォアハンドの鋭いリターンエースを決め、上地は大歓声の中で感極まった。2時間を超えるフルセットの激戦。終盤に「車いすと体が一体化して、思ったところに打ち切る」感覚をつかんだ。迷いなくラケットを振って2大会連続の決勝進出を決め、「諦めずに頑張れた」と誇った。

12年ロンドンから4大会連続の対戦となった強敵ファンクート(オランダ)の出ばなをくじき、第1セット(S)は冒頭から6ゲーム連続で奪取。しかし、課題のサーブの精度を欠いた第2Sはサービスゲームを1度もキープできずに落とした。もつれ込んだ最終S。一進一退の展開で「もう1つ自分のギア、集中力が上がった」。新たな境地を開き、4-4からフォア、バックの強打を軸に相手をねじ伏せた。

開会式で聖火の点火者を務めて注目を浴びた3年前の東京大会。決勝で絶対王者のデフロート(オランダ)のパワーに屈した。苦い経験から、展開力の向上や積極的に前へ出て打ち込むことを意識。小柄でも力に対抗できるチェアワークとショットの技術を磨いてきた。

苦しんだ先に、理想に近い形を見いだした。30歳になった日本女子のエースは決勝でデフロートと再び相まみえる。「自信を持って最後まで戦い抜きたい」。最強のライバルに全ての力をぶつける。