【超図解】22年版・大谷翔平のスライダー 「わざと」バラつかせたリリースポイント

エンゼルス大谷翔平投手(28)が2年連続、投打の二刀流でシーズンを完走しました。投手では15勝8敗、防御率2・33と昨年から成績が著しく改善。シーズン終盤から右打者の内角へ食い込む新球ツーシームが加わったことも大きいですが、球速やリリースポイント、変化量にバリエーションが加わったスライダーに相手打者は苦戦しました。昨年とのデータ比較や、ライバル球団の強打者の証言をもとにスライダーの進化を徹底分析します。

MLB

★最大差18.9㌢→43.3㌢

大谷は明らかにスライダーを多投していた。

7月28日(日本時間29日)のレンジャーズ戦、1番の右打者セミエンは5回1死一塁、初球の甘い真ん中スライダーにタイミングをずらされ、捕邪飛に倒れた。

この日、スライダーの配球割合は全体の51%。2球に1球の割合と偏っていても打ち損じた。昨年45本塁打をマークし、アスレチックス時代から大谷と対戦歴の多い強者でも攻略できなかった。

「常に違うスピードで投げられる。スライダーを88マイルや89マイルで投げる時もあるが、僕が打ちにいったのは83マイルだった。全球種に緩急があり、攻略が難しい」

確かに、大谷のスライダーには球速差がある。今季は最大で約18キロ差。昨年は同22.5キロで、球速の変化が特徴的でもあるが、それ以上に、今季はリリースポイントの変化も顕著だった。

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