【札幌レター〈79〉/返信】パク・ミンギュと大崎玲央が守備に安定感をもたらした

「札幌レター」では、北海道コンサドーレ札幌が今夏補強した7選手について上下編で紹介した。石川秀和記者からの返信編では、主力に定着したDFパク・ミンギュ(29)とDF大崎玲央(33)に注目。2-0の完封勝利を挙げた9月28日ホーム京都サンガFC戦の2人のプレーを分析してもらった。パク・ミンギュはクラブのあるJ1歴代最高記録をマークしている。

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「保坂果那が見た新戦力」と題して、2週連続で今夏加入した7選手の印象やこぼれ話、現在の立ち位置について届けた。DFパク・ミンギュは札幌でのパフォーマンスが評価され、10月の26年W杯北中米大会アジア最終予選に臨む韓国代表に選出された。先発した7戦で4勝2分け1敗と結果につながる活躍。いかに貢献しているのか、石川記者からの返信編ではデータとして示してくれた。

パク・ミンギュがクラブ最高を記録

札幌担当保坂記者のレターを受け、新戦力のプレーを追った。2-0で快勝した9月28日のホームでの京都サンガFC戦。今夏加入のDFパク・ミンギュとDF大崎玲央の2人がDF岡村大八とともに今季初めて3バックを形成した。

京都に勝ち、サポーターにあいさつする選手たち(2024年9月28日撮影・保坂果那)

京都に勝ち、サポーターにあいさつする選手たち(2024年9月28日撮影・保坂果那)

韓国代表のパク・ミンギュは3バックの左で7試合連続スタメン。「ミシャが認める男」である大崎は主戦場としていた中盤の底ではなく、今季初めて3バックの右に入った。この2人の加入は大きく、守備に安定感をもたらしたのは明らか。2人が同時に先発した6試合中3試合でクリーンシート(無失点)となった。

パク・ミンギュの先発試合はこれで4勝2分け1敗の好成績。その7試合で勝ち点14を積み上げ、1試合平均の獲得勝ち点は2・00点となる。クラブ歴代の選手と比べても、7試合以上に先発した選手の中では最高。降格危機からシーズン後半に巻き返した2017年のDF石川直樹の1・91点(12試合7勝2分け3敗)を上回る。

京都戦前日練習でミニゲームに参加するパク・ミンギュ(左から2人目)(2024年9月27日撮影・保坂果那)

京都戦前日練習でミニゲームに参加するパク・ミンギュ(左から2人目)(2024年9月27日撮影・保坂果那)

その救世主は前半36分に左サイドを攻め上がってクロスを送り、最後はFW鈴木武蔵の決定機につなげた。後半34分にも鋭い出足で相手ボールを奪い、そのままの勢いで敵陣深くまで運んだ。韓国代表DFだけあって、守備から攻撃への切り替えの速さはJ1屈指。そのスピードと豊富な運動量で背後のスペースをカバーするなど、攻守両面で存在感が際立った。

大崎もいいぞ

大崎も先発試合で5勝2分け3敗。1試合平均の獲得勝ち点は歴代7位の1・70点となる。京都戦では主戦場としていた中盤の底ではなく、3バックの右でプレー。191センチのFW原大智、同じく今季途中加入で8戦9発と勢いのあったFWラファエル・エリアスら好調の京都攻撃陣をほぼ完璧に封じ込めた。

チームに安定感をもたらす大崎(右)(2024年6月29日撮影)

チームに安定感をもたらす大崎(右)(2024年6月29日撮影)

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スポーツ

保坂果那Kana Hosaka

Hokkaido

北海道札幌市生まれ。2013年から高校野球などアマチュアスポーツを担当し、2016年11月からプロ野球日本ハム担当。
2017年12月から北海道コンサドーレ札幌担当。冬季スポーツの担当も務め、2022年北京五輪ではノルディックスキー・ジャンプや複合を取材。