サッカーの女子ワールドカップ(W杯)で快進撃を続けるなでしこジャパン(世界ランキング11位)は、11日の準々決勝(日本時間午後4時30分)で初優勝を狙うスウェーデン(同3位)と対戦することになった。過去の通算対戦成績は14試合で5勝3分け6敗と黒星が1つ先行。東京五輪の準々決勝で1-3と敗れており、リベンジの相手となる。なでしこの選手たちはこの日、試合会場のニュージーランド・オークランドに移動し、調整した。

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なでしこジャパンの準々決勝の相手が決まった。高さのあるスウェーデンだ。米国との決勝トーナメント1回戦は0-0からのPK戦にまでもつれたが、PK5-4でスウェーデンが制した。

最後はスウェーデン7人目のキッカー、FWフルティグのキックが米国GKネイハーの手に当たってから、ゴールイン。弾いたボールをネイハーが再度ゴールからかきだし、ゴールインしたかどうか微妙だったが、ゴールラインテクノロジーによってギリギリでキックの成功が認められた。

まさに「スウェーデンの1ミリ」で、不安そうに主審の判定を待っていたフルティグらスウェーデンの選手たちは、キックの成功が伝えられると喜びを爆発させてピッチを駆け回った。

なでしこが4強入りをかけて戦うスウェーデンはサイドからのクロスを中央の長身FWに当てるのを得意とするチームで、小柄な選手も多いなでしこにとっては簡単ではない相手だ。さらにこの日の米国戦ではGKモソビッチが大当たり。前後半90分、さらに延長を含めた120分間は米国に押されていたが、モソビッチが何度も好セーブでチームを救った。米バスケットボール界のスター、デニス・ロッドマン氏の娘トリニティーや、FWアレックス・モーガンのシュートをことごとく防いだ。

なでしこはこの日、5日のノルウェー戦で先発した選手はジョギングで回復に努めた。それ以外の選手はミニゲームやダッシュなどのメニューで約1時間練習した。GKを含めてスウェーデンはタフな相手だが、戦術的な部分ではなでしこが上回る。万全な準備で準々決勝に臨みたい。池田監督は日本協会を通じ「チームとしてこれまでの勢い、一体感を持って戦っていきたい。スウェーデンは、ここ一番で勝負強さを発揮できるチーム」とコメントした。

◆対スウェーデン 過去の通算対戦成績は14試合で5勝3分け6敗と黒星が1つ先行。W杯でも1勝2敗と負け越している。91年中国大会で0-8と大敗し、95年スウェーデン大会でも0-2の完封負け。日本が優勝した11年ドイツ大会の準決勝では3-1で勝利したが、21年の東京五輪の準々決勝では1-3で敗れている。