2位の清水エスパルスはホーム無敗記録を「14」に伸ばした。
3位V・ファーレン長崎との上位直接対決は1-1のドロー。前半24分、警戒していた相手外国籍選手に先制点を許したが、後半5分にFWルーカス・ブラガ(27)の右足ミドルで同点とした。最後まで攻めの姿勢を見せながらも追加点は奪えず。しぶとく勝ち点1を積み上げた。
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勝てなかったが、負けなかった。清水は前半開始からアグレッシブな戦いを展開。前線からの連動したハイプレスで敵陣に押し込みながら試合を優位に進めた。だが、一瞬の隙を突かれた。同24分、自陣右サイドからのサイドチェンジで揺さぶられ、ミドルシュートで失点。秋葉忠宏監督(48)が「個人の能力は気をつけたい」と話していた外国籍選手の決定力で先手を取られた。前半は0-1。重苦しい雰囲気も漂ったが、攻めの姿勢だけは貫いた。
後半も開始早々から反撃に転じた。MF乾貴士(36)の突破からリズムを作ると、頼れる助っ人の右足が火を吹いた。同5分、自陣からロングカウンターを発動。乾が約50メートルの距離をドリブルで運ぶと、右サイドのFWブラガにラストパス。エリア内で受けた助っ人は右足ダイレクトで逆サイドに突き刺した。
ブラガの今季8号となる値千金の同点弾で試合を振りだしに戻すと、さらに猛攻を仕掛けた。同18分には乾の右クロスをFW北川航也(27)がダイビングヘッド。23分には乾が右足ミドルでゴールを脅かした。
長崎には3月の前回対戦で1-4の完敗。指揮官は「シーズンダブルを食らっているようではJ2優勝なんてない」とリベンジだけを見据えて選手を送り出した。北川も「ホームで借りを返す」。最後までチームはゴールを目指すも、追加点が奪えず、直接対決は痛み分けに終わった。
ただ、秋葉監督は「最高の結果ではなかったけれど、最低限の勝ち点を積み上げられた」と評価した。清水は台風10号の影響で1試合消化が少なく、終盤に向けたアドバンテージはある。ホームで今季初めて先制された一戦で追いつき、2位を死守。負けなかったことをプラスに捉えて走り続ける。【神谷亮磨】