8戦連続未勝利で4連敗中のセレッソ大阪。低迷の中で数少ない果敢なプレーを続けているのが、プロ3年目のFW北野颯太(20)だ。次節22日の湘南ベルマーレ戦(レモンS)は、4月7日アルビレックス新潟戦以来、今季2度目の先発の可能性もある。
昨年のU-20ワールドカップ(W杯)日本代表で、今季9試合2得点のアタッカーは、チームの救世主になれるのか。17日の練習後に現在の心境を聞いた。
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-前節ヴィッセル神戸戦は0-2で迎えた後半開始から途中出場し、北野選手が奪ったCKが、FWレオ・セアラ選手の反撃の1点につながった。最近は前線での動きが明らかに変わってきた
北野 意識のところで一番、大きく変わっているのかなと思う。(CKを奪った場面も)自分が決めてやるという気持ちが今は、すごく強い。常に一緒の気持ちでやっているが、今までは他人任せの部分もあったんかなと思う。チームが勝つためにと考えた時、気付いたというか。結果もそう、それ以外のところも意識しているのが、プレーに出ていると思う。
-昨季は右膝も手術し、現在のコンディションは
北野 自分では、どういう時がコンディションがいいとか分からない。今の調子も悪くなく、サッカーを楽しめている時が一番、コンディションがいいと思っている。チーム状況は悪いが、すごく個人としてはのびのびできている。
-一時は首位に立ったC大阪だが、現在4連敗中。順位は11位まで後退し、降格圏18位のジュビロ磐田とは勝ち点7差、次節に対戦する残留圏17位の湘南には6差まで迫られた
北野 もちろん、順位は気になる。でも、できるだけ気にせずにやっていきたいし、ほんまに1つ1つ勝つしかない。1つ勝てば、上に食い込んでいけると思う。
-2カ月半以上も勝利がないチームの雰囲気は、暗いようにも感じる
北野 そんなことはない。4連敗しているけど、たぶん、おのおの思っていることはあると思うが、チームの雰囲気自体は悪くない。
-次節の湘南も残留争いの真っただ中で、必死に来るはず。3月30日の湘南とのホーム戦で今季初得点を奪っている北野選手には、先発の可能性もある
北野 ガツガツくる嫌なイメージはあるが、その重圧はすごく楽しみ。個人としてはいいイメージがある。ダブル(2試合)で取れるように頑張りたい。(1得点したホーム戦の)イメージはあるんで、楽しみたい。(先発出場へ)そうですね、出られるようにアピールしたい。
○…北野は7月、オランダ1部アルメレ・シティFCで2週間の短期留学を経験し、現在の好調さにつながっている。「一番はメンタルのところが大きく変化した。プレーの強度は感じたけど、俺が決めてやるという練習からのハングリー精神を、ストライカーだけでなく、センターバックの選手も持っていた」と振り返る。小菊監督も「オランダでは大事な時間になったと思う。あとは自分でつかめるかどうか」と期待している。
◆北野颯太(きたの・そうた)2004年(平16)年8月13日、和歌山・有田市生まれ。小4からC大阪U-12のエリートクラスに入り、U-15、U-18に昇格。高校1年の20年10月25日にJ3G大阪戦でクラブ史上最年少16歳2カ月で公式戦出場。高校3年進級前の22年2月に前倒しでプロ契約を結ぶ。準優勝した同年ルヴァン杯では高校生で史上初のニューヒーロー賞獲得。23年5月のU-20W杯では日本代表として松木玖生、高橋仁胡らと1次リーグ全3試合に出場。同年6月の神戸戦でJ1初得点をマーク。J1通算40試合4得点。172センチ、60キロ。