アコードツアラー フロントグリル塗装
久々にクルマ弄りの記事でも。
2016年の今くらいの時期、仕事からの帰宅途中に鹿の突然の飛び出しにフロント部を大破(まあそこまで酷くはないですが)し、ヘッドライトやフロントグリルを交換修理しました。その時のフロントグリルが純正品ではなく海外社外品(純正と形状は全く同じですが)で品質がそれほど良いものではなかったみたいで紫外線その他の影響で大分くたびれてきていました。ヘッドライト左右を昨年にウレタンコートしたから余計に気になります。
症状?としては、グリル大枠にあるシルバーのフチパーツと言えばいいんでしょうか。シルバーに塗装されているんですがこれは後から気付きましたがクリアコートがされてないんです(笑)。そのままシルバーを吹いただけ。なので例えば洗車とかで汚れを取ろうと少し強めにゴシゴシするとシルバーが取れていきます。剥げるほどではなかったんですがクリアがされていないため表面の劣化がかなり激しい状態に。そしてグリルフィンの部分。元々メッキでしたがカーボンシートでラッピングしていました。こちらももう8年くらい経つので流石に紫外線で劣化が進み、破れてはいないものの表面が白っぽくなってきて黒い引き締まり感?が無くなってきています。同様にグリルベース(黒い部分)も紫外線劣化で白っぽくなってきています。ベース部分は黒樹脂復活剤的なもので何度か手入れしていましたが、流石に全体的に劣化が酷いのでちょっと塗装するなりなんなりしてキレイにしたくなりました。
下記写真は8年前に社外品グリルを購入してフィン部分のラッピングも終え取り付けしたところ。今はもう見る影もないですがめっちゃキレイですよね(笑)
という事でフロントグリルの取り外しです。どうにかしてバンパーを外さずに取れないものだろうかと少し検討しましたがどうする事も出来なさそうだったので(笑)、仕方なくバンパーを外すことに。他の車もそんなケースがあるのかもしれませんが、アコードツアラーってグリルもそうですけどヘッドライトバルブを取るのにもバンパーを外してヘッドライトユニットを取り外さないと交換出来ないとか整備性が悪すぎだろって思ってしまいます。今から3年半くらい前に、こちらが停車中に前方から軽く接触されバンパーを新品交換したのでバンパーはとてもきれいです。
説明は割愛しますが、ボンネットを開けた際に見えるクリップ8個を外し、フロントタイヤ内側にあるタッピングネジを2個、バンパー底面にあるクリップを12~3個くらいを外して、左右からバキバキと引っ張って外していく感じです。外れたらゴロンと下に落ちるので2人でやるか傷防止で地面に大きな布などを敷いておくのが良いと思います。ついでにHIDヘッドライトバルブをLEDバルブと交換しようと考えていましたが、HID純正ハーネスの加工が必要っぽい感じだったので一旦中止しました。
フロントグリルはバンパーと4か所のクリップで底側で固定されているのでこちらを外すとようやく本体を外せます。8年前の写真と見比べると、シルバーの枠は写真だとそれほど違いを感じないかもですが色は剥げてきてるし結構劣化しています。グリルベースも黒樹脂部分が白っぽくなってましてフィン部分のカーボンラッピングも白く劣化しています。写真で見るとまだまともに見えますが、実際見るとかなり劣化していてキレイに洗車してもとにかくこの部分がボロく見えてました。ここからパーツ毎に分解しラッピングを剥がしていきます。
グリルを分解して足付け用の水研ぎまで終えたところです。
いきなりこの写真となっていますが、ここに辿り着くまでに相当苦労しました(笑)。カーボンラッピングも硬化してて剥がすのにめちゃくちゃ苦労しましたが、それよりも銀色の枠とメッキフィンがグリルベースの裏側からタッピングネジで固定されているのですが(合計24か所くらい)、その大部分が錆びまくっていて、まだネジ頭が錆びてるだけならいいんですがネジ頭部がもう朽ちかけてるものもあり(笑)、慎重にネジを外していきましたが4本くらいプラス部分がもう無い状態で。ペンチを使ってネジ頭を慎重に回して2本は取れましたが、残り2本は無残にもネジ頭部がポロっと取れてしまい芯だけ中に残った状態に。仕方ないのでドリルで芯部分に当てながら削っていき取り出す形に。勿論キレイに取れる訳がないので結構ボロボロになってしまったので、ネジを差し込んでパテを入れてネジ山復活させて、といった具合に。勿論強度は無いでしょうがとりあえず簡易的にでも固定出来るようにと。ネジは全部捨てて同じサイズのステンレスネジをホームセンターに買いに行きました(笑)
途中、こんな面倒な事するくらいならこんなグリルとっとと捨てて中古のグリル買って加工ベースにすればよかったと思いましたが(笑)、何とかパーツを分離する事が出来たので仕方なく進めていく事に。メッキパーツは基本的に1000番の耐水ペーパーで表面が曇るくらいに研いでおきました。シルバーの枠は軽くペーパーがけするだけでシルバー地が取れて素地の色(黄色みたいな)が出てくるので軽めに。グリルベースはパーツを組んだ際に一番見える黒樹脂の左右下側のところだけ軽くペーパーがけしておきました。
自宅屋根裏にある物置き部屋。部屋といっても屋根裏の収納倉庫みたいなのでベニヤ貼りっぱなしの殺風景な部屋です。普段使わない荷物や箱など沢山置いてますが、その周りに新聞紙を貼ってマスキング(適当ですけど)。簡易塗装ブースにします。換気扇もありますし天井も低くフックも何か所か付けているので吊り下げて塗装する事も可能。昔から塗装はここをよく使います(笑)
何をどう塗るのか説明が無かったので改めて。
フロントグリルベースに関しては「ソフト99 ボデーペン つや消し黒 08005」
グリルフィン(メッキ)は「ソフト99 ボデーペン H-46 NH731P クリスタルブラックP 08461」
グリル枠(シルバー)は「ソフト99 ボデーペン H-460 NH700M アラバスターシルバーM 08460」
フィンとグリル枠はホンダ純正カラーを使って仕上げます。艶消しブラックはまあ何でもいいかと思いますが一応メーカー(アクリル塗料)を合わせました。フィンとグリル枠の仕上げはパール塗装なので必ずクリアの上塗りが必要になります。ここは長持ちさせたいのでウレタンクリアを使います。
ウレタンクリアコート「ソフト99 ボデーペン ウレタンクリアー 08006」
ということでまずは簡単なグリルベースから。グリル完成形の時にベースが見える部分と言えば左右下側の平らな部分、ホンダエンブレム周りくらいです。メッキフィンの奥側に少し見える所がありますがその辺りくらいまででしょうか。艶消しブラックは塗るのも簡単ですしシリコンオフで塗る場所を予め脱脂してからぱぱっと塗っていきます。ここは結構適当に終わらせました(笑)
グリルフィンとグリル枠をこちらもぱっと塗っちゃいます。フィンは元々がメッキだったのでシリコンオフで脱脂後に念のため剥がれ防止の「染めQ ミッチャクロン マルチ 420ml」を薄く塗っておきました。久々に色付き塗装をしましたが(クリア塗装ばかりでしたので)丁寧に下地を作って焦らず少しづつ塗っていけばキレイに塗れるもんですね。グリル枠もフィンも最後にウレタンコートをしますので表面の塗装荒れ(いわゆるゆず肌)はあまり気にせず塗ってます。最終的に表面を1500~2000番の耐水ペーパーで慣らしてからクリアを吹けばツヤツヤの光沢になりますので。とは言えまあまあキレイには塗れましたが(笑)、やはり埃などが多少塗装面に付いてしまいます。
塗装が乾いたら1500~2000番(私は手持ちで2000番が余ってたのでそれで)を使って表面のゆず肌を慣らし、毛埃などもある程度取っていきます。あまり強く擦り過ぎると下地まで出てしまったりするので水に付けながら軽く慣らす程度で十分かと思います。埃などは手で触った時に凹凸が分かるかと思いますが、その感覚が有る程度無くなるくらいまで慎重に削っていきます。ある程度で大丈夫です。上からウレタンクリアコートをするのですが、塗膜がそれなりに厚くなるので僅かな凹凸は無くなって綺麗な表面になると思います。またこの段階でペーパーで削るので当然の事ながら表面は白く濁ったような感じになりますが、これらもクリアを塗ると全て無くなりますのでビビらずにペーパーで慣らしたらOKです。削り過ぎはホント注意ですが。
という事である程度慣らして艶消し曇り状態の先ほどの写真にウレタンクリアを塗ったところがこちら。
濡らしたようなテカテカの艶感はウレタンクリアならではです。塗膜も厚く強いので外装のクリアは絶対こちらを使うのが良いです。しっかりNH731Pのブラックパールの粒子が見えているかと思います。
塗ったものを屋根から吊り下げてます(笑)。このような乾燥できるスペースが絶対必要です。塗る時もそうですけど床に直接置いてしまうと地面との境目や裏側が塗れなくなりますので。ウレタンクリアの塗り方ですが、最初の1~2回は表面に細かいミストが付くくらいのパラ吹きでOKです。その後厚塗りをしていきますが、よっぽどの事が無いと垂れません。かなり暑く塗ると白っぽくなる場合がありますが、これも数分経つと消えていきますので心配無用です。ただし白っぽくなった時はまあまあの厚塗り状態なので白っぽい部分が透明になるまでは次の厚塗りを待った方が良いと思います。あと極端に一気に厚塗りをしてしまうと乾燥時に表面がひび割れてきたりします(過去何回かやらかしました)。そうなると乾燥後に再度削って塗り直しという地獄が待ってますので焦らずじっくり塗るのが大切です。2回ほど厚塗り(表面がテカテカになるのを目視しながら)したらOKかと思います。
シルバーの枠部分、メッキフィン部分の塗装が完了したところ。
室内なのでシルバーがどんな感じで塗れているのか分かりにくいですがキレイに塗れています。フィン部分も良い感じです。ウレタンクリア施工後は細かい埃などを除去しつつバフ仕上げするのが良いと聞きますが、何もしなくても上塗りさえキレイに出来ていればこのまま装着しても何ら問題ない感じに仕上がります。
海外製の社外品の為、作りはそれほど良くはありません(笑)。フィンをネジ固定する台座辺りが何か所か取れかけてる部分がありました。コの字形状でフィンに繋がっていて半分折れてて半分繋がっているみたいな。写真ではわかりにくいですが細い針金をハンダコテで溶かしながら中に押し込み、埋まったら周りの樹脂を溶かしながら上に盛って整形する形で再固定しています。接着剤だけだとどうしても後から取れてしまう可能性が高いので、ハンダコテを持ってたらこのような形で再固定するのがお勧めです。
死ぬほど苦労した(笑)グリル裏側のネジ再固定です。元のスチールネジは錆び・浸食で崩れているものばかりで使い物にならないので全てゴミ箱へ捨て(笑)、ステンレスネジで再固定します。12本入りを2袋買いましたがちょうど24か所固定だったので丁度ピッタリの数量でした。
固定していきます。純正グリルだと気にしなくていいかもですが、どうも全体的に強度が足らないというか固定先の土台が締めこむ際に壊れそうな予感がしていたので、あまり一気に締めこまずゆっくりと回していき、増し締めもあまり力を入れずに軽く締めて固定していきました。固定している間もパキパキ全体から音が出ていて怖かったです(笑)。ちなみに右下に小さく映っているのがホームセンターでステンネジを買う際に見本で2本だけ残しておいたサビたネジです。この後速攻捨てました(笑)
完成です!ホンダエンブレムが汚いですが(笑)、フィン部分やシルバー部分はキレイにパール塗装のキラキラが見えていて良い感じです!室内だとキレイに映らないのと組み込み時の手の跡が付いててあまりキレイには見えませんが実際はめっちゃ良い感じです!
という事で車体に戻します。前回取り外しから1週間後となりましたが、バンパーは左右のネジを仮固定していただけで車体カバーをかけていたので外すのは楽でした。グリルは底面に4か所のクリップと左右2か所のタッピングスクリューでのバンパーとの固定となります。この際にバンパー底面のクリップや上面のクリップなどで程度の悪いものは新品で持っていたストック品と交換して取り付けました。
明るい場所で見ると全然印象が変わります。シルバー部分は少し青味がかかったシルバーで良い感じに見えますし、フィン部分はブラックパールですけどこれだけ反射するとブラックメッキにも見えますね。
色々と苦労はしましたが、あの古ぼけたフロントグリルがシャキッと引き締まりキレイになったので大変満足です。