(セ・リーグ、阪神4-1広島、19回戦、阪神11勝7敗1分、8日、甲子園)9月8日は二十四節気の一つ「白露」。野の草に露が宿って白く見え、秋の趣が感じられる頃という意味らしい。白露を過ぎると日中は残暑で真夏のような暑さでも、夜が長くなるにつれて朝晩は次第に涼しくなる、と昔の方々が言い伝えてきた。
マジックの対象チーム・広島との大一番の日も、真っ白からスタートになった。
昼間にすさまじい豪雨が、グラウンドをたたきつけ、視界がぼやけるほどの白さ。練習はすべて室内に移動だ。
この天候では試合は無理かも?と思ったトラ番記者もいたようだが、いったん降りやむと、グラウンドの水がみるみる消えていく。最後まで残っていたショートの守備位置の水たまりも阪神園芸の手でなくなる。
マジックナンバーは実に不思議な数字だが、あの豪雨でも試合がベストコンデションで試合ができてしまう甲子園のマジックのほうが、ある意味、すごい。
そして、プレーボール時点の甲子園は気温28度。涼しさにはほど遠いが、この夏の猛暑がすさまじかったから、過ごしやすく感じた「白露」の夜だ。
森下のアーチが左翼スタンドに架かり、佐藤輝の驚弾がバックスクリーンに飛び込む。「ARE」を確信したスタンドのボルテージは、序盤から最高潮に。
いやいや、実は試合前から最高潮だった。
「1番 センター 近本」
スタメン発表の場内アナウンスに、大盛り上がり。帰ってきたわれらがスピードスター、切り込み隊長を、虎党全体で大歓迎だった。