フットサルの国際親善大会を視察したJFA田嶋幸三会長 [写真]=河合拓
4月22日から24日まで、愛知県・ウィングアリーナ刈谷で開催されたフットサルの国際親善大会で、フットサル日本代表はウズベキスタン代表、ベトナム代表を抑えて優勝を果たした。
この大会を視察した日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長は、2016 FIFAフットサルワールドカップ・コロンビア出場を逃したフットサル日本代表と、リオデジャネイロ・オリンピック出場を逃したなでしこジャパンの強化の必要性を口にし、「女子とフットサルに共通するところでは、協会がもっとリーグをサポートしないといけないと感じました」と、日常のリーグ戦からテコ入れをしていく考えを明らかにしている。
以下、田嶋幸三委員長のコメント要旨
――アジア選手権で厳しい結果に終わったフットサル日本代表を今後どのように立て直していこうとお考えですか?
「まず、この試合をやることはすでに決まっていましたので、しっかりやりたいと。それから木暮(賢一郎)くんは、選手として非常に優れた経験を持っていて、コーチ陣も非常に良い形で整えてくれました。(4月限定の)代行とはいえ、しっかりとやってくれたと思います。フットサル自体は、ミゲル・ロドリゴ前監督のときとだいぶ変わったなという印象を受けました。ダイナミックで大胆な攻撃を仕掛けているので楽しみですね。ただ、今後どうなっていくかは北澤(豪)くんがフットサルのトップ(委員長)ですし、それから小西(鉄平)くんを中心に、新しく強化についての委員会も立ち上げています。そういうところで話し合いながら、次の強化を考えないといけないと思っています」
――フットサルの重要性は、どのように考えていらっしゃいますか?
「もちろん11人制と比べると、なかなか見るチャンスはありません。ユース、Jリーグ、日本代表のウエイトの方が大きかったのは事実です。ただ今回、フットサルと女子は、絶対にアジアで勝てるだろうと思っている中で敗れてしまいました。そう考えると、まだまだポテンシャルはありますし、今こそやり直さないといけません。プラス、女子とフットサルに共通するところでは、リーグをもっと協会がサポートしないといけないと感じました。非常に見ていて面白いですし、アトラクティブで、多くの人たちが見て、みんなが満足して帰れる内容だと思います。そういう意味ではもっともっと広報活動をしながら、もしくはクラブが健全に運営できるようにしながら、まずはフットサルの日本リーグをしっかりして、代表チームにテコ入れをしていきたいと思います」
――フットサル日本代表の試合は、これまで何試合くらい見ていますか?
「もう何試合も見ていますよ。代々木体育館でも見ましたし、木暮くんが現役の頃から試合は見ています。今回代行とはいえ、日本人監督が就任しているのは非常にいいことですし、世界のトップリーグも経験していますから、FKのときやリスタートのときも多彩ですし、面白いアイディアを持ってやっていますね。今までリスタートのときに、あんなに選手が変わることはありませんでしたから。そういう意味では、カウンターもGKのイゴール(・ピレス)から速いボールが入りますし、今までにない展開でゴール前のチャンスを多くつくっています。この試合は引き分けましたが、これからが楽しみですし、長い目で見ないといけないと思っています」
――2020年のW杯招致については、どのようにお考えでしょうか?
「大村(秀章)愛知県知事の熱烈な希望、そしてフットサル界の希望でもありますし、我々はそれを全面的に応援していかないといけないと思っています。13カ国という極めて多くの国が立候補していますし、アジアでも3カ国、そしてヨーロッパはとても多くの国が立候補しました。ヨーロッパではW杯も開催していませんから、我々は頑張らないといけませんし、フットサルがプレーできるしっかりとしたアリーナはどこの都市にでもあるべきだなと。そういうことを改めて思っています」
――試合前に熊本支援に向けて募金活動をやっていました。
「みなさんものすごく、積極的に募金をしていただきました。あらためて感謝します。フットサルに限らず、サッカーファミリー全体で、熊本の被災、大分を含めた九州地域へのサポートを継続してやっていきたいですし、我々も応援していきたいと思っていますので、フットサル界からもぜひともよろしくお願いいたします」
文=河合拓
By 河合拓