神村学園MF大迫塁
高校から直接ドイツ挑戦、今や高校最強のストライカーと評されるFW福田師王(3年、ボルシアMG内定)が「神様みたいです。自分が評価されてきたのはやっぱり塁のパスで点を決めてきたおかげなので」と感謝する存在がいる。各学年に年代別日本代表候補を擁す強豪、神村学園(鹿児島)で1年時からエースナンバー「14」をつけてきたのがMF大迫塁(3年、セレッソ大阪内定)だ。
強いリーダーシップでチームを牽引する今大会屈指のレフティーでもある。神村学園中時代から代表の常連。神村学園高等部進学後、いきなり「14」を背負ったこともあってスーパールーキーと騒がれた。1年目からレギュラーとして選手権に出場。2年時にはインターハイで3得点をマークし、8強入りに貢献している。
だが、盟友の福田が日本高校選抜、U-19日本代表候補へとステップアップしていく中、大迫はなかなか評価を高めることができなかった。2年時秋のU-17日本高校選抜の活動ではその視野の広さと正確なパス、コンビネーションからゴールを奪う動きで存在感。だが、選手権では初戦敗退し、その後選ばれた日本高校選抜でも満足のいく活躍ができたとは言い難い。
最終学年となった今年は誰よりも走り、攻撃をコントロールし、チャンスを作り出した。だが、インターハイは大会直前にコロナが広まり、大迫自身もぶっつけ本番で臨んだ初戦でほとんど何もできないまま敗退。背番号14の涙は、試合後しばらくしてからの取材対応でも止まらなかった。
「こんな思いは絶対にしたくないです。もっと死にものぐるいになって、もっと勝ちに貪欲になって、最後絶対に勝ちます。こんな思いはしたくないです」と誓ってから5カ月。大迫は選手権の舞台に立つ。
インターハイ敗退後に進路のC大阪U-18に練習参加。「(当時は)全てのプレーが上手くいかなかったです。(だが、練習参加して)個人と向き合うことができたので。清武(弘嗣)さんとか、奥埜(博亮)さんとか、同じポジションの人にどうすればより良くなるのか、すごく質問して持ち味を確認した」。絶対の自信を持つ左足やゲームメイクの部分など自分の武器を再確認。そして、臨んだ選手権予選で6連覇を達成した。
選手権開幕前に行われたプレミアリーグプレーオフでは、日本クラブユース選手権(U-18)優勝チームのC大阪U-18を破って神村学園に初のプレミアリーグ昇格をもたらしている。一つ、大きな置き土産を残して臨む選手権。「ガチッとなりすぎずに、楽しんで、負けたら負けたで。ウチのサッカー仲間だったら負けないと思っているので、楽しくやりたいです」。技巧派レフティーはたくましさが増し、チームを勝たせる存在になってきた。福田ら仲間たちを信じ、楽しくサッカーをして笑顔で選手権を終える。
By サッカーキング編集部
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