リーグ戦4戦連続無敗中の湘南 [写真]=Getty Images
■湘南ベルマーレ 4月のナビスコ杯では数的不利も引き分けに持ち込む
今節ホームに迎える広島とは、4月のナビスコ杯予選ですでに一戦交えている。前半2-1とリードしながら後半開始早々に退場者が出て10人の戦いを強いられた。それでも粘り強く相手の攻勢を凌ぎ、かたや追加点を目指すことも忘れなかった。試合終了間際に追いつかれ引き分けにはなったものの、リーグ戦からメンバーの入れ替わりもあったなかで、球際や走力、チームを忘れない姿勢といった、湘南が大切にする根幹の体現に、チーム力の底上げを見たものだった。
セットプレーによる得点が多い広島に対し、湘南は逆にセットプレーからの失点が多い。互いの長短が重なるこの局面は対戦のポイントのひとつとなりそうだ。近年のリーグ戦の戦績も、2010、2013年はともに2戦2敗、J2で対戦した2008年も3戦全敗と湘南の分は悪く、過去とは違う結果をもってチームの成長を裏付けたい。
直近のナビスコ杯新潟戦では公式戦6試合ぶりの敗北を喫した。勝てば決勝トーナメント進出に大きく近付いただけに結果は残念だが、J1・1st第9節名古屋戦に0-3で敗れて以後、前節までリーグ戦4戦負けなし、うち3試合で無失点ゲームを演じるなど、敗戦に学びを得、次に繋げてきたチームである。相手の時間帯を辛抱強く凌いだ先で4得点を挙げ、盤石の勝利を収めた前節の清水戦が示すように、勝利のために何をすべきか、状況に応じた試合運びがピッチのなかで共有されていることも結果の背景にある。(隈元大吾)
■湘南予想スタメン
3-4-2-1
GK
秋元陽太
DF
遠藤航
アンドレ・バイア
三竿雄斗
MF
藤田征也
石川俊輝
永木亮太
菊池大介
大竹洋平
高山薫
FW
大槻周平
■サンフレッチェ広島 森崎浩復帰で攻撃力増強も、堅守に揺らぎ
新潟戦で今季リーグ戦最多の4得点をゲット。しかも、広島対策としてミラーゲームを仕掛けてくる新潟に対し、セットプレーとサイドからのクロス、高い位置からのプレスによるショートカウンターと、手間暇をかけない攻撃で得点を重ねたことは、コンビネーションが成熟途上の広島にとって、非常に大きい。
セットプレーのキッカーを務めている柴崎晃誠は「プレースキックは得意じゃないんです」と笑うが、前節は塩谷司の2ゴールをアシスト。キックに威力があるとは言えないが、抜群の精度でゴール前にボールを供給し、精密さが時にパワーを凌駕することを改めて示した。その上、ナビスコ杯FC東京戦で、森崎浩司が復帰。クラブ最多となるリーグ戦11本のFKゴール(J2含む)を決めているレフティがピッチに立てば、左右両足のキッカーが揃うことになり、セットプレーでの破壊力はさらに増幅される。中盤には青山敏弘も出場停止から戻ってくることもあり、攻撃力の増強は間違いない。
ただ、ここにきて今季の進撃を支えてきた堅守に、やや揺らぎが生じていることも事実だ。G大阪戦以降、3試合で5失点。しかも決して守備を崩されたわけではなく、新潟戦の2失点がそうだったように、自分たちのミスやセットプレーから相手にゴールを献上しているケースが多い。特に湘南には、ナビスコ杯でもカウンターから2失点。今の広島にとっては非常に難しい相手と言っていいだろう。(紫熊倶楽部 中野和也)
■広島予想スタメン
3-4-2-1
GK
林卓人
DF
塩谷司
千葉和彦
水本裕貴
MF
ミキッチ
青山敏弘
森崎和幸
柏好文
ドウグラス
柴崎晃誠
FW
佐藤寿人