清水はセットプレーからの失点が減少。センターバックの二見宏志も調子を上げている [写真]=J.LEAGUE PHOTOS
■北海道コンサドーレ札幌 攻撃の起点となれることを証明した、FWヘイス
【プラス材料】
期待したいのはやはりFWヘイス。J1デビュー戦となった前節の柏戦では前線で高い技術を見せて安定感のあるボールコントロールを披露。キープだけでなく、シンプルかつ正確にパスを渡すプレーを見せ、欧州で活躍した実績がダテではないことを証明してみせた。加えて直接FKを叩き込んで得点も奪うなど、連敗中のチームに光をもたらす活躍を演じたと言っていいだろう。
また、その柏戦を累積警告による出場停止で欠場した福森晃斗が、この試合では先発に復帰する見通し。パス能力のあるこの選手の復帰はやはり大きいと言うしかない。キッカーが福森とヘイスの2枚になったことで、得点力はアップしそうだ。
【マイナス材料】
まずは連敗中であることが大きい。リーグ戦が6連敗であるのに加え、28日のルヴァンカッププレーオフステージ第1戦もホームでC大阪に0-2で敗戦。完全に白星から遠ざかってしまっている。
そしてジュリーニョがアキレス腱断裂という大けがで長期離脱になったことに加え、前述のC大阪戦では金園英学と石井謙伍の2人が負傷退場し、この試合の欠場も決定的と言っていいだろう。
メンバーこそターンオーバーを敢行したものの、公式戦に関しては相手の清水が中5日でこの試合を迎えるのに対して、札幌は中2日。スケジュール面でも不利な部分があることは間違いない。
文:totoONE編集部
■清水エスパルス 割り切った戦い方で、前節は10試合ぶりのリーグ戦勝利&今季ホーム初勝利
【プラス材料】
前節の甲府戦で10試合ぶりのリーグ戦勝利&ホームでの今季初勝利を挙げたことは、重圧から解放されたという意味で大きなプラス要素だ。
勝因は、ホームながら攻めすぎることなく、失点しないことを重視する割り切った戦い方をしたこと。甲府のカウンターに細心の注意を払いながら失点をゼロに抑え、セットプレーからの1得点で逃げ切った。その戦い方は、札幌に対しても有効なはずだ。昨年までであれば、セットプレーでは札幌が優位に立っていたが、今の清水はセットプレーからの失点が減り、逆に得点が増えてきた。キッカーのチアゴ・アウベスは出場微妙だが、金子翔太も質の高いボールを蹴っている。
センターバックの二見宏志とカヌが調子を上げているのもプラス材料で、得点力では札幌を上回っているため、失点をゼロに抑えれば勝機は高くなるはずだ。
【マイナス材料】
チアゴが前節で左足首を痛め、M・デュークは今週発熱して2人とも出場微妙。このところ攻撃を力強く引っ張っている2人だけに、出場できないとなればかなり痛い。その場合、代役を務める可能性が高いのは金子と北川航也という若手2人だが、パワー不足になることは否めない。
また、札幌ドーム独特のボールが止まる芝も、清水にとってマイナス材料と言える。清水は、逆にボールがよく走るアイスタの芝に慣れているため、昨年のドーム対戦ではその違いに戸惑い、DFやGKが判断ミスを犯して失点につながっている。今回は昨年の反省を生かせる面はあるだろうが、感覚の違いをそう簡単に修正できるわけではなく、攻撃面でも少しノッキングを起こすことがあるかもしれない。
文:totoONE編集部