神戸は2試合連続で無失点と守備の安定感が増している。DF岩波拓也は今節出場すればJ1通算100試合達成だ [写真]=J.LEAGUE
■アルビレックス新潟 前節札幌戦で2得点の河田篤秀に期待
【プラス材料】
リーグ前節の札幌戦は、2点リードされて迎えた終盤、残り10分で途中出場の河田篤秀が2得点を挙げ、2-2の同点に持ち込んだ。今季、新潟シンガポールから加入した河田にとってJ1初得点、2得点目は、昨年シンガポールリーグのMVPとなった実力を示すものとなった。
結果を出した選手にチャンスを与えると日頃から話す呂比須ワグナー監督が、ルーキーの勢いを生かそうと先発に抜てきする可能性もあり得る。上背はない河田だが、ジャンプ力、体の強さがあり、ポストプレーもこなせる。チームの守備戦術を機能させられれば、思いきりのよい背後への抜け出しで神戸守備陣にプレッシャーを掛けられそうだ。
【マイナス材料】
シーズン終盤、疲弊がチームを覆っている。鼻を骨折しているソン・ジュフンは、前節札幌戦でフェイスガードを着用してフル出場。対人の強さは変わらず、初めて韓国代表に選出されたことでモチベーションも高いが、視野が限定されたプレーのしづらさはあるだろう。
前節、負傷交代した富山貴光は、オフ明けの練習からフルメニューをこなし、ジェイとの接触プレーで打撲した富澤清太郎は週初めの練習は回避したが、週中には合流した。ホニ、山崎亮平が接触プレーで練習途中に切り上げる日もあったが、いずれも翌日には練習に参加している。
試合に出続けていることで、万全とはいえないコンディションの選手もいる。残留に向け、まさに崖っぷちの今、それでも新潟のために奮起することが求められる。
文:totoONE編集部
■ヴィッセル神戸 “夏の新戦力”ポドルスキがチームにフィット
【プラス材料】
リーグ前節は2位の川崎を相手に0-0で引き分け、価値ある勝ち点1を積み上げた。順位も1つ上昇して10位に。リーグ戦ここ5試合は2勝2分1敗と好調をキープしている。
好調理由の1つは、ポドルスキがチームにフィットしてきたことが挙げられる。彼にボールを預けて、田中順也や小川慶治朗、渡邉千真ら周りの選手が相手ディフェンダーの背後に走り込むスタイルが出来上がりつつある。川崎戦ではゴールこそ奪えなかったが、右サイドでパスを受けたポドルスキが田中順へピンポイントクロスを上げるシーンもあった。
守備陣も2試合連続で無失点と安定感が増している。CB岩波拓也が今節出場すればJ1通算100試合達成、さらにGKキム・スンギュが韓国代表選出といううれしいニュースも。
【マイナス材料】
前節の川崎戦ではシュート数で神戸が3本上回ったが(神戸10、川崎7)、最終的にはスコアレスドロー。決定力に課題を残す結果となったのは否めない。期待のポドルスキがシュート1本に終わっているのも気になるところだ。
守備では、リーグ2位の川崎を無失点に抑え、吉田孝行監督は「自分たちからボールを奪いにいく守備ができた」と振り返ったが、荒れたピッチによる相手のミスやGKキムの好セーブに救われた部分もある。
また、今季の新潟との対戦ではリーグ戦とルヴァン杯を合わせて2勝しているが、リーグ戦では新潟の山崎亮平に翻弄された場面も。山崎を好きにさせると、ゲームの主導権を握られる可能性もある。
文:totoONE編集部