[写真]=兼子愼一郎、宮地輝
■浦和レッズ ゴールを守るのは新星か、ベテランか。指揮官の選択や如何に
【プラス材料】
第18節にミスの重なる形で敗れた湘南ベルマーレ戦があったものの、前節の柏レイソル戦ではその悪い流れを断ち切る勝利を記録。気持ちを新たに、後半19試合の初戦となるアビスパ福岡戦に臨むことができるだろう。
柏戦はFWキャスパー・ユンカーが途中出場でノーゴールに終わったものの、他の選手で2点を奪っての勝利だった。最近はK・ユンカーの得点力に依存している面があるという評価もあっただけに、前向きなことと言える。セットプレーからゴールが生まれたのもチームにはプラスだ。
過密日程での3連戦だが、湘南戦から柏戦の過程で9人スタメンを入れ替えているだけに、起用が難しいコンディションの選手はいないだろう。選手層を生かしながら、文字どおりの総力戦を展開できていると言えそうだ。
【マイナス材料】
前半戦での福岡戦は、かなり長い時間にわたってボールを保持しながら最終ラインを切り崩せなかった。そこからカウンターを受けて2失点しての敗戦だっただけに、その再現だけは絶対に避けなくてはならない。
特に警戒すべきは、ボール保持で前に人数をかけたところで、サイドバックの裏をシンプルに使われること。このパターンは湘南戦や柏戦でも危険な場面がいくつかあった。
柏戦はGK西川周作が起用されたが、その理由はGK鈴木彩艶のエントリー手続きの不備というあまりにもイレギュラーな理由だった。そうした状況だけに、鈴木をスタメンに戻す判断もあれば、柏戦の無失点を評価して西川を継続起用する可能性もある。福岡との前回対戦では西川がミスで失点に絡んだだけに、リカルド・ロドリゲス監督の起用が注目される。
文:totoONE編集部
■アビスパ福岡 序盤に失点しないこと&先制点を与えないことが勝利のカギ
【プラス材料】
19日に行われた第18節のヴィッセル神戸戦に敗れ、リーグ戦で今季初の連敗を喫した。しかし「五分五分に戦えている」(長谷部茂利監督)という実感があったことも事実。攻撃力の高い神戸に対し、組織的な守備で攻撃の起点を自由にさせなかった、あるいは体を張れていたという手応えは、チームにとって自信を深めるものだろう。
神戸戦は試合開始直後の2分に失点したが、その17分後にMFジョルディ・クルークスのクロスからFW山岸祐也が決めて、同点に追いついた。縦に速い攻撃に加え、J・クルークスのカットインやFWブルーノ・メンデスを起点としたコンビネーションなど攻撃のバリエーションが増えており、その精度が高まっていることは好材料だ。
山岸は天皇杯2回戦の鹿児島ユナイテッドFC戦でのハットトリックに続き、公式戦2試合連続ゴール。好循環モードに入りたい。
【マイナス材料】
神戸戦のような試合開始早々の失点はゲームを難しくする。リーグ戦で今季初の連敗を喫したアビスパ福岡だが、敗れた2試合はともに試合開始15分以内に失点した。今季の逆転勝利は2試合のみで、早い時間に失点しないことは勝利の条件と言ってもいい。逆に無失点の時間が長ければ、福岡の勝利パターンに持ち込める。
浦和との前回対戦は完封勝利だった。ただ、前回対戦に出場していないFWキャスパー・ユンカーの存在は脅威。リーグ戦7試合で7得点と、加入直後からゴールを量産。MF前寛之は「ボックス・トゥ・ボックスでプレーできる選手」と表現し、その動きを警戒する。リーグ戦全試合に出場するMF小泉佳穂との連係も良く、水曜日の柏レイソル戦では61分に揃ってピッチに立った直後にゴールが生まれた。福岡は無失点でどこまで粘れるか。
文:新甫條利子