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【インタビュー】「勝利への執着は誰よりも強い」 浦和の万能戦士・明本考浩「どこで出ても“明本のプレー”を」

2023.07.05

[写真]=URAWA REDS

 無尽蔵のスタミナと万能性を武器に浦和を支えるのが明本考浩だ。マチェイ スコルジャ監督からの信頼も厚く、替えの利かない存在である。

主戦場は左サイドバック。アグレッシブで力強いプレーを表現し、サイドを制圧する。明本が目標とするのは、“あの日本代表選手”だ。アジア制覇の称号を手にした今、次なる標的はリーグ制覇。「とにかく勝ちたい」と貪欲に勝利を欲する。そのために明本はピッチを走り続ける。

取材・文=石田達也

ポジションはピッチ全体ですかね(笑)

[写真]=URAWA REDS


――前回、このインタビュー企画ではアレクサンダー・ショルツ選手に登場してもらいました。明本選手へのメッセージをお願いしたところ「熱い男で常に100パーセントを出す選手です。その反面、クレイジーな一面もあります(笑)。もっともっと集中力を高めてプレーをすれば、さらに良いキャリアを送ることができると思っています」と話していました。
明本 嬉しいですね! 集中力をもっと高めて、日々トレーニングをしたいと思います!

――もう一点“お願い”も受け取っています「『一緒にご飯を食べよう!』と言ってくるのですが、彼が財布を出したところは見たことがない(笑)」とのことでした。
明本 いやいや、彼は日本の文化にも慣れているので、先輩が奢るということをわかってくれています。まだ財布は見せられませんが、カード1枚ぐらいは持っていきますよ(笑)。

――では、ここから本題に入っていきたいと思います。激戦を勝ち抜きAFCチャンピオンズリーグ優勝を果たしました。このタイトルを獲った意味、今大会のターニングポイントを教えてください。
明本 自分にとっては貴重なタイトルでした。ACLはそう簡単に獲れるものではありませんし、クラブの歴史の中に名を刻めたことを嬉しく思っています。昨季まで在籍した選手がここまで作り上げてくれたこと。新チームになって団結できたことも大きな要因だと思います。準決勝の全北現代モータースとの試合では、延長戦・PKで勝利できました。ここは大きなターニングポイントでした。

――決勝第1戦ではサウジアラビアまで多くのファン・サポーターが駆けつけていましたし、第2戦でも約6万人の後押しがありました。
明本 タイでのグループステージから駆けつけてくれていましたし、ファン・サポーターの声援は僕たちのエネルギーになっています。第2戦のビジュアルサポートを見た時は鳥肌が立ち「やってやろう!」と気合いが入りました。素晴らしい雰囲気の中でサッカーができたこと。優勝できたこと。喜びを分かち合えたこと。全て光栄に感じています。

――優勝した瞬間はどんな気持ちだったのでしょうか?
明本 誰とでもいいから抱き合いたい気分でした。もちろん選手とですよ(笑)。感情が溢れましたね。

――リーグ戦では現在4位(※6月21日 インタビュー実施)と好位置に付けています。ここまでを振り返っていかがでしょうか?
明本 チーム全員で守り、失点数も少ないので良い仕事が出来ていると思います。課題は得点数です。ファイナルサードの質と誰がスペースに走るのか。誰がどう動くのかを全員が共有すること。シュート数も少ないので、シュートへの意識を高めることが必要だと思っています。

――失点数はここまでリーグ最少です。
明本 何より大きいのは西川周作選手の存在です。プレーに安定感があり、クロスボールへの対応も素晴らしく、どんなピンチでも救ってくれます。まずはゼロで試合を進めることは大事なことだと思っています。

――明本選手は左サイドバック、右サイドバック、そしてサイドハーフ、FWなど、複数のポジションでプレーします。自分的に一番しっくりくるポジションはどこですか?
明本 ピッチ全体ですかね(笑)。どこのポジションで出ても“明本のプレー”をしないといけないですし、与えられたポジションで100パーセントやり切るだけだと思っています。その中でも一番しっくりきているのはサイドバックです。上を目指すということを考えてもサイドバックだと思っています。

――ここまで左サイドバックでの出場が多いですが、そこで意識しているのはどんなプレーでしょうか?
明本 ディフェンスラインの一員として失点しないことにはこだわっていますし、対峙するアタッカーに負けないことです。対人では負けない自信があります。横と縦の関係を大切にして、前の選手がやりやすくなるようなプレーは心掛けています。サイドを制圧する迫力のあるサイドバックが理想です。

――「対峙するアタッカーに負けない」という言葉がありましたが、絶対に負けたくない選手はいますか?
明本 ヴィッセル神戸の汰木康也選手です。元チームメイトですし、今は神戸で脅威を与える存在になっていると思います。ドリブルやクロスで起点を作っているので、負けたくないですし対峙したいですね。

嫌なDFになりたい

[写真]=URAWA REDS

――これから一つでも多くの勝利を掴むため、どんなアクションを起こしていきたいですか?
明本 アグレッシブな攻撃を仕掛けていきたいですし、勝つサッカーをしたいです。個人としてはクロスの部分をもっと突き詰めたいと思っています。

――理想とするゴールやアシストの形はありますか?
明本 理想はありません。枠に入ればどんな形でもいい。とにかく勝つことが出来れば、それでいい。勝利への執着は誰よりも強いと自負しています。

――浦和加入後FWでプレーする機会もありましたが、再び前線でプレーしたい気持ちもありますか?
明本 少しはあります。監督には「NO」と言われましたが(笑)。おそらく監督の中ではサイドバックの方がしっくりきているのだと思います。機会があれば大学時代の同期で2トップを組んでいた髙橋利樹選手と一緒にプレーしてみたいですね。彼の良さを一番引き出せるのは自分だと思っていますし、逆に自分の良さを引き出してもらえると感じています。

――髙橋選手はどんな選手ですか?
明本 献身性もありますし、決定力も高い。身長も高いのでクロスを合わせやすく頼りになります。相思相愛だと良いんですけどね(笑)。

――明本選手が目標とする選手はいますか?
明本 サイドバックとしてプレーするようになってからは、チームメイトの酒井宏樹選手を目標にしています。人としても素晴らしく、立ち振る舞いを含め見習いたい選手です。酒井選手がケガで欠場していた時に右サイドバックを務めましたが、最初は不安しかありませんでした。そんな中で「お前ならできる! お前ならやれる!」という言葉をもらい、すごく心に響きました。酒井選手はチームにとってプラスになる働きかけが多く、例えば負けている状況で点を取った後に「もう1回行くぞ!」と声を出してくれます。言葉でもプレーでも、チームを引っ張ってくれる素晴らしい存在です。

――ちなみにチームメイトのストロングポイントを一つだけ自分のモノにできるとしたら誰のどんなプレーを選びますか?
明本 興梠慎三選手の決定力です! あとは酒井選手のパワー、元チームメイトですけど汰木選手のテクニック。これが揃えば最強です(笑)。

――真っ先に名前を挙げた興梠選手のどんなプレーに凄みを感じますか?
明本 ゴール前での駆け引きが素晴らしく、得点に対する嗅覚があります。あとはディフェンスラインから消える動きですね。左を向いた時には既に右にいます。それに似た感覚を持っているのが川崎フロンターレの小林悠選手です。自分もそういった動きを身に付けたかったですね。今はサイドバックをやることが多いので、やられないよう対応をしなければなりません。

――FWを経験しているからこそ、守備で強みを発揮できる部分もあるのではないでしょうか?
明本 そうですね。自分も持っている部分もあるので、嫌なDFになりたいです。これが強みになればと思っています。

――次回インタビューでは荻原拓也選手が登場する予定です。ポジション的にはライバルでもありますが、荻原選手はどんな選手ですか?
明本 縦への推進力があり、左足のクロスが武器だと思います。シーズン当初から大畑歩夢選手を含め3人で競争をしてきたので、彼らに負けないように頑張りたいですね。とはいっても、素晴らしいプレーをした時は褒めたいですし、伸び伸びできるようなサポートをしたいと思います。

――最後に荻原選手に伝えたい、ここだけのメッセージはありますか?
明本 たまに「NO」という言葉が出るので、先輩の言葉は絶対だと教えたいです(笑)。あとは足を攣るのがちょっと早いので、もっと長い時間プレーして欲しいですね。お互いフィーリング的にも合うので、もっと一緒にプレーをしたいと思っています。

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