[写真]=Getty Images
「内弁慶」との批判に闘志を燃やす小林悠
■試合日程(日本時間)
6月26日(土) 25:00 対 大邸FC
6月29日(火) 25:00 対 北京FC
7月2日(金) 23:00 対 ユナイテッド・シティ
7月5日(月) 23:00 対 ユナイテッド・シティ
7月8日(木) 25:00 対 大邸FC
7月11日(日) 21:00 対 北京FC
アジアを舞台にしたJリーグ王者の戦いが、ウズベキスタンで始まる。
昨年、圧倒的な強さで2冠を達成した川崎フロンターレは、今季も絶好調だ。個々の技術を生かしたボール保持とイメージを共有した連動性のある崩し、そして即時奪還によるゲームコントロール。その磨きをかけたスタイルで、開幕から17勝4分けとリーグ21戦無敗で首位をひた走っている。国内で無敵を誇る日本の王者がアジアの舞台でどんな戦いを見せるのかは、今大会で大きな注目を集めているはずである。
特筆すべきは、やはりその得点力だ。攻撃陣をけん引するのは、4ー3ー3システムの最前線にいる三笘薫、レアンドロ・ダミアン、家長昭博の3トップ。リーグ屈指のドリブラーである三笘は、縦の推進力を生かし、困難な局面も個人で打開。家長は自在なポジショニングでゲームを作りながら、自らフィニッシュワークも担う。元ブラジル代表のストライカーであるレアンドロ・ダミアンはチャンスを仕留め続ける。破壊力抜群の攻撃陣には、勝利をもたらす働きに期待がかかる。
一方で、数少ない懸念材料があるのも事実だ。海外クラブへの移籍を前提とした交渉のため、中盤の田中碧はACLの活動に帯同しないことをクラブが発表。今季フル稼働していた中軸を欠くのは痛手だが、選手層の厚さで乗り越えられることができるか。
川崎は過去8度の出場でベスト8進出が3度ある。アジアの戦いを苦手としているわけではないが、リーグ王者として出場した直近の2大会に限れば、どちらもグループステージ敗退の憂き目にあっている。共通点は、GS初戦に黒星を喫していること。となれば、ポイントは初戦の大邱FC戦だろう。ベストメンバーで臨むことが予想されるこの一戦で、勝ち点3を奪えるかどうか。中2日で6試合をこなす「超」がつく過密日程だけに、白星先行で有利に進めたいところだ。
いまだ獲れていないアジアのタイトルに向けて、小林悠はこんな反骨心を口にする。
「いろんな記事だったりで、『フロンターレは国内だけでは強い』と言われているのを見て悔しい。メラメラ燃えている選手もいると思うので、ここでダメだと言われないように臨みたい」
史上最強の呼び声もあるJ王者は、アジアの頂を目指す。
【KEY PLAYER】MF 10 大島僚太
リーグ開幕前に右ふくらはぎを負傷し、全治約12週間と診断。長期離脱を余儀なくされており、今季出場はなかった。しかしチーム練習には合流済みで、ACLにも帯同。今大会で復帰する模様だ。
その能力には誰もが一目置き、「練習でやっていて、やっぱり他の選手とは違う」と小林悠が言えば、鬼木達監督も「合流して間もないが、力があると思わせてくれた。違いを持っている」と太鼓判を押す。田中碧が不在となる中盤で、違いを作る背番号10が輝きを放つ。
文=いしかわごう